第278話
でも、ここを出されたら何をされるか分かったものじゃない。
それが分かっていたので、私はとりあえず彼に抵抗しようとして――…私の腕を掴んでいたその腕に噛みついた。
「―――…っ!!」
それなりに痛かったようで、彼は私から腕を離してそこを抑える。
どうにかして彼から逃れようとエレベータを見たけど、三つとも今は1階には着いていないようだ。
―――…こういう時に限って、1階にいないのね!!
私はくるりと踵を返して、彼を睨みつける。
「うぜえ女だな。――…大人しく、やられてろや。」
こんな恐ろしい男に大人しくやられる人がどこにいるのよ!!
近づいて来る彼にどうしようもない私は、とりあえず彼から少しでも離れるために非常階段を使おうと走り始めたが――。
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