第239話
「……何、アイツ。」
水島君は彼がいなくなった方向をきつく睨んでいて、さらには見たこともないその顔で私を驚かせる。
……や、やっぱりお調子者には裏があるものなのかしら。
「水島君、助かりました。ありがとう。」
「いえいえ。本郷に怪我がないなら、それでいいよー。」
口調はいつものように戻ってきたけど、表情は完全に戻りきっていない。
……ちょっとだけ、怖い。
「じゃあ、朝会ですので、早く行きましょう。」
「うむ、そーだね。」
そして、彼の表情は体育館に行くまで、戻ることはなかった。
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