第166話
誉田と呼ばれた彼は、赤髪で右の横髪を左より少し長めに伸ばしている。
……一種のアシメにしていた。
最近、この男は髪型で遊ぶことが流行らしい。
「興味、なあ。」
「俺、マジで誉田さんが何かに嵌ったっつーの聞いたことねえです。」
少し考えている誉田は、時間を置いてから口元を緩めた。
滅多に笑わないこの男からは、珍しい笑みである。
「嵌ったっつったら違うかもしんねえけど、1人……俺を見てくれた女ならいた。」
「お、女!?誉田さんに女っすか!?あの女に見向きもしねえ誉田さんが!?」
「……彼女とかじゃねえよ。ただ、印象がツエェ、良い女だった。」
―――…アイツは、元気にしているだろうか。
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