第167話
誉田はそんなことを思いつつ、目の前に置いておかれていた皿を見つめる。
それを見た彼の口許は、少しだけ上がっていた。
「誉田さんが良い女って言うくらいっすから、相当なんっしょうね。……ちなみに名前はなんっつーんですか?」
「確か、ホンゴウサアヤ……だったかなー。」
誉田の口から出てきた、紗綾の名前。
この場で紗綾のことを知っている人間はいないので、特別意識することはなかった。
───…いや、一人だけいた。
この会話を聞いていた張本人の、彼。
その男はゆっくりとその場に近づいて、誉田に話しかける。
「───…おい。」
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