第161話
「まさかとは思うけど―――…大稀さんが生きてるってんじゃねえだろーな?」
蘭勝はその問いかけにぴくりと指を動かす。
砦はそれを見て、眉を顰めたが―――…蘭勝はすぐに何事もなかったかのように煙草を口に含める。
そしてソレを吹き出し、遠くを見つめながらポツリと呟く。
「それはねえ。アイツは―――…大稀は俺の目の前で死んだ。」
雨が降っていた、あの日。
灰色の道路が、真っ赤に染まっていったあの現場。
微笑むようにして目を開けることができなくなった、アイツ。
雨に打たれて、動かなくなったアイツ。
もう俺の名前を呼んでくれない、アイツ。
……俺はすべて、この目で彼の死を見たのだ。
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