第604話

海の意外な特技が分かったところで、この飲み物を販売するのかは別だろう。


1人で担当するなら捌けないのでは?


フルーツもグラスの中に入れるんでしょ?



「道路を歩行者天国にするらしい。ステージを作ってなんかのショーもする。第1回だから力を入れて宣伝もするって。そこまでするなら出店の数も必要だろ?まぁ、出店が集まらないってことだな!キッチンカーの数のほうが多いらしいぞ。この辺りは閑散しているからな。どうにかしたいと思ってイベントを考えたらしいが、それなりの規模じゃないとお客さんは来ない」



光さんのお店の周りは確かに静かだ。


近くには商店街があるが、土日でもシャッターが閉まっているお店が多い。


そんな場所をどうにかしたいと思うのは普通のことだと思う。



「私が思うにもっとオシャレなものにすればいいと思うんだよねぇ。簡単にするならぶどうの粒とか丸々入れちゃう?カットしないものを選んで入れちゃえばいいかなって。そしたら時短になるよね。実際に作った感想だと層にするのはそんなに面倒じゃないよ」



そうだった。


大塚さんもコレを作ったなら分かるか。


ライチとかブルーベリーとか色のアクセントになっていいかもしれない。


ミントも必要かも。


今回のはカットされたフルーツが入っている。


………………。


あとは2層でいいかもしれない。


下が色にして上は炭酸水。


それならフルーツを入れても綺麗に見えるのでは?



「アイスコーヒーをお願いします!」



真理亜はジュースを飲んでしまったらしい。


ドーナツだから喉は渇くよね。



「海、アイスコーヒー持って来い。1杯………………いや、2杯?大きめのグラスでいいか?大きめのグラス1杯だ。氷は少なめにしろよ」



真理亜の注文を聞いた光さんは海に言うと海はコクリと頷いて部屋から出て行った。


それに続いて大塚さんも出ていく。



「光、忙しい?目の下にクマできてる。無理してる?」



愁さんは、眠そうに目を擦っているが、光さんを気遣っているのは分かる。



「ん、問題ない。お前も写真の個展を開くんだろ?都合が悪いときは蓮に言えよ」



へ〜ぇ。


愁さん、個展をするんだ?


それは時期が悪かったかもしれない。



「その祭りは、誰と誰がやるんですか?1人でやるんですか?海さん1人で?エプロンをして?それは、お客さんが来るんですかね?作るのは海さんにしてお客さんとのやり取りは別の人が担当したほうがいいと思います」



真理亜は両手にドーナツを持ってニコニコ顔だ。


幸せそうで何より。


というか、この状況で幸せなのには凄いと思う。



「あぁ、大丈夫だ。3人にお願いするつもりだから。ここに集まったついでに言ってしまおうと思ってな。海が1人で出来るとは全く思ってない。客寄せは若い子がいいに決まっている。というか、海から言い出した。手伝いを呼んでくれって」



「ん?3人にお願いとか………………まさか、私と凛ちゃんに?」



「それだと1人足りないだろ」



雪もそこに混ざるのでは?と思ったけど、集まったついでなら大塚さんだろうな。



「はいは〜い!アイスコーヒーです!こっちはミルク。好きな量を入れてね。で、こちらはカットフルーツ盛りで〜す。というか、さっきの飲み物で余ったフルーツだけど」



大塚さんは大ジョッキのアイスコーヒーを真理亜の前に置いた。


それと一緒にカットフルーツも置く。



「出店の件は大塚さんも出るの?」



「あっ、聞いた?そうなんだよね。2人とも大丈夫?まかない出るよ。光さんが作ってくれるって」



そうか。


長時間になるからご飯出るのね。



「はい!出ます!手伝う!まかないはコッテリ系にしてください!唐揚げがいいな!ポテトフライもお願いします!大盛りで!」



やはり、ご飯になると真理亜は良い反応をする。


自分が食べたいものをリクエストするし。



「分かった。特別に大盛りで作ってやる。売り上げにしっかり貢献してくれよ。やるならちゃんと売りたいし。4人で元気よく売ってくれ」



………………。


私の返事はまだ言ってないけど、まぁいいか。


みんなが出るなら私も出るし。


で?真理亜の件は?


祭りの話になってしまったが、真理亜の話は終わったのか?


………………。


真理亜の話に戻る様子がない。


もう終わったらしい………………

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