第603話
決定的なことが起こればいいが、都合よくそんなことにはならない。
そんなことになっていれば、今こうして集まっていないだろう。
「結果的に、長引くことになりそうですね」
「喜一関係は関係している奴が動くのがいい。俺たちが直接手を出すのは間違っているだろう。切り離せば動くだろ、アイツは」
切り離しをすればってことだけど、どこまですれば切り離したことになるんだ?
その区切りはどこにあるのだろうか。
「いつも忙しくいろんなものを食べているからな。それを止めさせることはしないほうがいいだろう」
「最終的に柚月がやると?」
「そうなる。あっちは一掃させたいらしい。余計な繋がりを持ちたくはない、と。男の生活がガラッと変わったらしくてな」
裏ばかりだったのに、表のことが気になってしまったのだろう。
真理亜はいろんな場所に行くから、それを追いかけるだけでも時間は使うはず。
裏の仕事は大丈夫なのか?と考えたが、それは私が心配することではないからいいか。
「お待たせしました〜。ハワイのトロピカルジュースでーす」
大塚さんは持ってきた飲み物は色がカラフルな層になっているジュースだ。
こういう時って、普通はお茶とかじゃない?
なぜ、ハワイ?
フルーツとミニミニ傘が刺さっている。
「ちょっ、商品名違うっちゃね!」
「えっ?私にはハワイのトロピカルジュースに見えるけど。コレ、ハワイじゃないの?」
「トロピカルジュースだけでええの。ハワイはつかん」
「ハワイなのに?」
「いや、だからハワイじゃないってぇ」
2人は話をしながら飲み物を置く。
私はマジマジと見る。
なぜ………………
この飲み物なのだろうか。
まさか、新メニュー?
このお店にこの飲み物は合わないのでは?
「おぉ、このお店に全く似合わない飲み物が出てきた〜。なぜ、こんな飲み物で?コーヒーが飲みたかったなぁ。コーヒー下さい!アイスコーヒーで!ミルク付きで!」
真理亜はそう言いながらカラフルなジュースをグルグルかき混ぜる。
どうやら、それは飲むらしい。
「派手な飲み物ですね。光さんが考えたってわけじゃなさそうですけど。これ、お店に出すつもりですか?」
孝文さんも、違和感を感じているらしく、飲み物をジーと見ている。
「俺が考えたわけじゃない。この近辺で祭りがある。町内会から出店をやってくれないか?って言われたんだ。俺は店があるから海にやってもらおうと思って、頼んだらコレを作ってきた。試作品だから感想が聞きたい」
祭りの出店を海がするの?
それはちょっとどうなんだろう?
というか、コレを出すなら何系?
飲み物メインなの?
「普通に美味しいけど。まぁ、出店で販売するならこんな感じだよねぇ。これ以上の旨さを求めるならちちゃんとした店に行けってなる。つーか、こんな感じの飲み物既になかった?ほら、キラキラピカピカ光ボトルのヤツ。首に引っ掛けることが出来るヤツ。なくなったら同じ店に行っておかわり金額で買えるじゃん。えっ?なに?それと同じことするわけ?え〜、それはどうなんかなぁ?同じことするのってさ、ありきたりじゃん?それに、層にするなら時間かかりそうだしぃ。提供スピードも遅くなるじゃん?数をそれなりにこなさなきゃ売り上げにならないと思うんだよねぇ」
蓮さんはいつも通りによく喋る。
キラキラピカピカのボトルって何?
………………ボトルのことはいいとして、層になるジュースは確かにただ注ぐだけのジュースと違って時間は掛かる。
だが、見た目はいいから目は引くだろう。
他がどんな感じなのか分からないけど。
「蓮が言っているボトルの飲み物は層になっていないのでは?あれはボトルの色でそう見えるものだと思います。ここまでするのなら、もう少し力を入れても良いかと思いますよ。メニューの数を減らせば対応できると思いますから。でも、なぜコレなんですか?」
矢島さんはカットされたフルーツを手に取り口の中に放り込む。
なぜコレを作ったのか誰もが思っていることだろう。
やはり見栄えか?
SNS映えというものだ。
「あ〜、そうだなぁ。単純にコレを作るのが意外と良かったから、コレになっただけだ」
特に深く考えた作ったものではないらしい。
あと、光さんもそうらしい。
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