第610話

太る原因は運動不足以外に食べ過ぎだと私も思う。


間食の食べ過ぎはよろしくないと思うが、夕食を食べたあとのデザートはもっとよろしくない。


だが、最後のシメとしてパフェはとても美味しい。


お酒を飲んだあと甘い物を食べたくなるって言うけど、夕食を食べたあとにも甘い物を食べたくなる。



「光さん、私って太りましたよね?」



「………………それを俺から言わせるのか?」



「確認がしたかったので。体重計に乗るのが怖い。もう分かっているんです。洋服のサイズが合わなくなったので、太ったんだなって分かっているんです。でも、認めたくないっていうか。お母さんとお父さんに言ったら問題ないって言うんです」



「自分の標準体重は分かるよな?」



「分かります」



「それより増えたら、太り過ぎだと思え」



「………………」



それはそうなんだけど。


少しだけオーバーはしている。


2キロほどオーバーだ。



「凛は食べる量が少なかったから痩せすぎだったんだ。こんくらいがちょうどいい。ガリガリだと不健康だぞ」



「前の私はガリガリではなかったです」



「今の体重より10キロは痩せてただろ?凛の身長で40キロ代はダメだろ」



「モデルさんたちは、40キロ代ですよ」



チョコアイスの他にガトーショコラやマカロンなども乗っていてボリュームがある。


それでも、普通に完食した。



「ごちそうさまでした。満足です」



「そっか。ちなみに、食べたチョコパフェは新作だ。デザートメニューに今月から載る」



「そうだったんですね。なんか、ちゃんとチョコパフェ食べた感が凄いです。最後までチョコでした」



チョコ好きにはたまらないだろう。



「だろうな。そうなるように作った。嫁からも好評だぞ」



「あっ、美香さんはお元気ですか?」



裏にある家には行かないから、美香さんと全く会わないなぁ。



「元気だ。元気すぎて海外旅行に行くくらい。友達と一緒にハワイ旅行だ」



………………。


光さんはお留守番なのね。


お店もあるから長期休暇は難しいのだろう。



「美香さんは、よく海外旅行をするんですか?」



「海外だけじゃないぞ。国内旅行も行く。最近、温泉旅行に行こうか?と誘ったら友達と行くから行かないって言われた」



………………。


それは悲しいですね………………



「夫婦ってそんなもんだよな。よし、家に送ってやる」



光さんも美香さんには敵わないらしい。



「裏口から行くぞ」



お店の戸締りと電気を消して、裏口から外に出る。


駐車場には3台の車があった。


その中の軽自動車に乗り込み駐車場から出た。



「これは、美香さんの車ですか?」



「そうだ。あとの2台は俺と海のだ。凛は車の運転どうなんだ?そろそろ自分で運転できるようになれよ」



「車を全く使わない場所なら良いのにって思います」



「ここの地域は車社会だな。車がないと行けないぞ」



分かってはいるけど、車に乗る機会が少ないのだ。


仕事で車を使うときが来たら問題だなぁ。


配達してなんて言われたら………………



「お父さんが帰って来る前にどうにかなりませんか?」



「ならないだろ」



「即答ですね」



「海に頼むか?麻矢さんは………………海のほうが安心だ」



確かに、海なら運転に慣れているから安心ではある。


助手席にブレーキないけど。



「免許取ったらすぐ乗るもんだぞ。感覚が覚えている時に乗らないと、乗れなくなるからな。通学でも使うから車を買ったんだろ?」



「そのはずだったんですけどね。送り迎えに慣れてしまいました」



自分で運転しないで乗っているだけって正直なところ楽なんだよね。


それじゃいけないと分かってはいる。



「まずは、公園の駐車場とかで練習しろ。公道は無理だ」



私も公道は嫌だ。



「誠也は過保護だからな。親より他人にお願いするのがいいぞ。親の合格ラインは高めだ」



「光さんは免許取ったときは練習しました?」



「そんなのしない。免許取ったらすぐ本番だ。で、行きたかったところに行った。凛もそうすればいい。行きたい場所あるだろ?」



行きたい場所か。


そういう考えはなかったな。


家に到着すると、明かりがついていた。


どうやら、お母さんが帰って来ていたらしい。



「帰っているのか?」



「そうみたいです。遅くなるって聞いてましたが、早く終わったみたいです。ありがとうございました」



「またな」



光さんは軽く手を振ってから走り去った。

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