第194話

俺は何やってんだ。








「付き合いてぇ女が居る。」




自己嫌悪に陥りそうになりながらも、言葉を吐き出した。







「柊馬も、ようやく一人に絞る気になったのか?」




翡翠の言葉に、お前も人に言えねぇよな?と思ったのは言わなかった。







「あ・・・まぁ、守りてぇ女って言うか。大切にしてやりてぇって思える女って言うか・・・。」





そう、今までの女には湧いてこなかった感情が珊瑚には湧くんだ。







「へぇ・・・柊馬がねぇ?いいんじゃねぇ?」




翡翠が嬉しそうに笑う。







「あぁ、自分でもそう思う。」





俺は照れくさそうに後頭部をガシガシと掻きながら口角を上げた。










「でも、俺のいちいち許可取らなくてもいいんじゃねぇ?総長だからってチームの奴の恋愛にいちいち文句は言わねぇよ。」



クスクスと笑いながらそう言う翡翠。





ま、確かにそうなんだけどな?








今回は異例ちゅうか。






絶対に秘密にしとくわけにはいかねぇんだよな・・・たぶん。





「ま、相手が普通の奴ならな?」



俺は意味深にそんな言葉を吐き出した。







「えっ?あ!分かった。どっかのレディースの頭とかじゃねぇのか?」




翡翠、お門違いだ。






俺はガクンと肩を落とす。






「ちげぇよ。そんなケバケバしい女どもに用はねぇよ。」






「だったらなんだよ?」




口を尖らせた翡翠。





クソッ・・・男のクセに色気出しすぎなんだよ!






珊瑚に似てる瞳に俺の心臓が反応する。








「ま、翡翠の知り合いっちゃ~知り合いなんだけどな?」




やんわりと真実に近づけていく俺。






「ま・・・・まさか!俺の身内。」




おぉ~一気に確信じゃねぇか!






「ま、そう・・・かも?」





俺は苦笑いを浮かべて頷いた。






「無理だ!ダメだ!やらねぇ!」




必死な形相で急に立ち上がった翡翠。





その気迫が怖えぇ!







「どうしてだよ?いいじゃねぇか!」





俺だって負けてられねぇ。






珊瑚の事は譲れないんだよ。








互い立ち上がって睨み合う。







幹部室は異様な空気に包まれた。

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