第191話
俺はそれから数回珊瑚とデートを重ねた。
その度に色んな発見をして、珊瑚と言う人間に益々惹かれて行った。
大人しそうで実は気が強くて。
おっちょこちょいの癖に、変な所がしっかりしてて。
人の目なんかまったく気にしないで、とても自由奔放な女の子だった。
俺に色目なんかまったく使う事なく、いつも自然体で接してくれた。
そんな珊瑚が俺の心の中で大きな存在となっていった。
もちろん、手なんか出してない。
女ったらしで有名な俺が、手を繋ぐだけでドキドキしてたんだ。
珊瑚の傍に居たかった。
心も、身体も、瞳も、全て俺のモノであって欲しかった。
珊瑚に会ってる事は翡翠には内緒だったから、このままじゃいけないとずっと思ってた。
その日は殴られるのを覚悟で、翡翠に全てを話そうと倉庫へ向かった。
翡翠の許可を取ってから、珊瑚に気持ちを伝える。
もう友達ごっこは限界だった。
もっと触れたくて、身体がずっと疼いてた。
珊瑚に会ったあの日から、女遊びをきっぱり止めた。
他の女に触れた汚らわしい手で、珊瑚を触っちゃいけないと思ったんだよ。
それまで女相手に毎日吐き出していた性欲を、自分で処理する事になるなんて思いもしなかったけどな?
そうしてでも、珊瑚を汚したくなかったんだ。
恋は盲目ってよく言うが、本当だと先ごろ気づいた。
カンカンカン甲高い音を立てながらたまり場の階段を上る。
外階段のそれは、雨になると凄く滑りやすい。
ま、裏の入り口を使うのは俺ぐらいだけどな?
鍵を通した紐を指にかけてクルクルと回しながら2階を目指す。
2階の踊り場に出ると、その鍵を鍵穴に通して鍵を開けた。
カチンと軽い音と、ギギギーと錆びついた音。
俺は力一杯重い鉄の扉を押し開けた。
中から聞え出すエンジン音や話し声。
花龍のメンバーが相当数溜まってるらしい。
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