第187話

項垂れた俺の頭にふっと何かが乗った。




「辛かったね。よくがんばったね。」



珊瑚の温かい手。




それが何度も何度も俺の髪を撫でてくれた。





本当なら、弱い者イジメみたいな事をしてる俺なんて、軽蔑されたって仕方なかったのに。





珊瑚は一言だって、俺を責めたりしなかった。









「きちんと話をして、ちゃんと謝ればきっと、その子だって分かってくれるはず。分かり合えた時・・・きっといい関係を作れると思うわ。怖がらないで柊馬。」



「珊瑚・・・傍にいてくれるか?」



俺は気がついたら、そんな言葉を投げかけていた。




「私でいいなら、傍にいる。」



珊瑚の返事は、暗闇にいた俺に光を与えてくれた。





「俺はやり直せるか?」



呟くように吐き出した言葉。





「もちろんだよ。一緒に乗り越えよう。」




温かい言葉と暖かい手に俺は救われた。






珊瑚が俺の心に直接触れてくれた気がした。








この時に初めて分かったんだ。






俺が珊瑚に抱く思いの正体を。









この日を境に、俺達の関係は親密になっていった。

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