第188話

「待った?」



頬を赤らめてかけてくる珊瑚。





そんな姿が愛らしくて、思わず口元が緩んじまう。






「待ってねぇよ。あんま急ぐなこけんだろ?」




手を軽く上げながらそう言えば、





「大丈夫だもん。」



とか言いながらも、速攻足元の小石に躓きやがった。






「キャッ・・・。」




の声に、





「あっぶねぇな!」




慌てて駆け寄って、倒れかけた珊瑚の体を抱きとめる。









「ありがと。」




腕の中で俺を見上げてそう言った琥珀。





胸がドキッと高鳴る。





「言った矢先にこけんじゃねぇよ。」



素っ気なく悪態をつきつつ珊瑚を腕の中から解放した。





このまま触れてるとやべぇ。





近くのホテルに連れ込んじまいそうになる。




珊瑚の全てを欲しちまう俺にブレーキを掛ける。







今まで軽くあしらってきた女達みたいに、容易に手を出していい女じゃねぇ。







「うん、気を付けるね。いつも琥珀にも怒られるんだよねぇ。」



少しだけ乱れたスカートを整えながら、舌を出して笑った珊瑚。






あぁ~マジその顔やべぇ。








公園で再会してから一週間。





初めてデートに誘いだせたってのに、こんな早々と欲情してる場合じゃねぇ。






マジ、俺って貞操無さ過ぎんだろ?






自分に溜息が漏れた。









こんな風に日の高いうちに待ち合わせやデートなんて今までやった事ねぇし。






この後、どういう展開にすりゃ良いのかさえ分からねぇ。






俺の生きる世界はいつでも夜だった。




今まではヤりたい時に女を呼び出してホテルに直行するか、逆ナンされてその辺の公園で盛るかしかした事ねぇし。







マジ、こんな普通のデートってどうすりゃいいんだ。






誘ったはいいが、俺自身戸惑っちまってる。








「ね、どこ行こうか?」



上目づかいで見上げる瞳の綺麗さに、心臓が壊れそうになる。




「あ・・・だな?どっか行きたい所あるか?」



珊瑚が行きてぇ所に連れてってやりてぇ。





「う~ん。じゃ、とにかくブラブラしようか?」



珊瑚は何の迷いもなく俺の手を握って歩き出した。






つられて足が動き出す。

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