第177話
「古めかしいだけの家だぜ?」
なんて苦笑いを浮かべながら長い前髪を掻きあがる翡翠。
「ま、古いって意味じゃ、俺の実家も変わらねぇけどな?」
残してきたままの実家を思い出す。
母親の49日を終えてから家を出たきり戻ってねぇ。
たまに空気の入れ替えにでも行ってやらねぇと、朽ちてしまうかもしれねぇな?
そんな事を思った時、翡翠の背にする廊下の方から足音が聞こえてきた。
パタパタパタと、2つの可愛らしい足音。
お!翡翠自慢の妹のお出ましか?
拝見させてもらうとするか?
少し口角を上げて翡翠の後ろに視線を向けた。
「お兄ちゃん。」
透き通る様な声がしたと思ったら、10歳ぐらいの髪の長い少女が現れた。
長い睫に大きな瞳、少し赤みがかった頬。
小せぇが、美少女の分類だとすぐに分かった。
「お!琥珀、見送りに来てくれたのか?」
少女を振り返った翡翠はゆるゆるの顔で少女に手を伸ばす。
オイオイ・・・・うちの総長がこれでいいのか?
ってぐらい、緩みっぱなしの顔。
「うん、見送るよ。」
そう言って笑う姿は確かに微笑ましい。
「おぉ、そうかそうか。」
翡翠は嬉しそうに少女の頭を撫でる。
不意に合った視線。
少女は不思議な顔をしながらもぺこりと頭を下げた。
「あ、どうも。」
俺は成れない笑顔を向ける。
「琥珀、こいつを見ちゃダメだよ。妊娠させられちゃうからね。」
オイ!何恐ろしい事口にしてんだ。
少女を自分の背に隠す翡翠に溜息が漏れた。
「俺だって小学生に手を出すほど節操がない訳じゃねぇ。」
呆れ顔でそう言えば、
「いや、琥珀は可愛いから危ねぇ。」
マジ、シスコン過ぎだろ!
顔が必死すぎる翡翠に笑えた。
「まったく、翡翠は何を言ってるのよ。」
そんな可愛らしい声と共に姿を現したのは同じ年ぐらいの可愛い女。
思わず息を飲んだ。
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