第161話
要と3人でかる~くデートして、琥珀を自宅に送り届ける。
少しだけ2人で話がしたかったので、途中で要を銀狼に降ろして、今2人でここに居る。
今日のお礼を言いたかった。
向き合えたのは琥珀が背中を押してくれたからなんだ。
だから、きちんと伝えたかった。
向き合えた事。
「琥珀、時間少しだけいい?話したいんだけど。」
と言えば、
「じゃ、そこの公園で話す?」
琥珀の家の近所の公園。
「うん。」
2人で夕日に照らされながら歩いた。
公園には誰も居なくて、寂しげに木々が揺れていた。
「誰も居ないね?」
と言えば、
「帰宅のチャイムが鳴ったからじゃないかな?」
と返された。
あ・・・なるほどね。
子供の帰る時間を知らせるあれね?
「良い子の皆様、ってやつ?」
「そうそう。あのチャイムはいまだ健在なんだよ。」
琥珀は俯いて足で石蹴りしながら笑う。
「そこ、座る?」
指さした先はブランコ近くのベンチ。
「あ・・・・うん、だねぇ。」
琥珀は石蹴りを止めて、ベンチに座る。
俺も自然にその隣に腰かける。
「・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
どちらからも話す事なく、不自然な静寂が流れる。
春先とはいえ肌寒い中、2人で黙ったままベンチに座っていた。
ここは俺から話さなきゃ。
そうは思うんだけど、緊張してうまく言葉を出せない。
今日はありがとう、それを伝えればいいのに。
改まると言葉って出しにくいと知った。
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