第160話
どのぐらいそうしていたんだろうか?
要も俺も、たっぷりと母さんと話した。
今までの事、全部・・・なんてことは出来なかったけど。
伝えたい事は伝えられたと思う。
それに、焦る事はないしね?
これからはたっぷりと話せるんだから。
墓石を前に自然と笑みが漏れた。
「また来るね。」
そう言って立ち上がる。
「じゃ、行きますか?」
要が桶と柄杓を手に持った。
「だね、うちのお姫様を待たせすぎるとダメだしね。」
すっきりした気持ちで微笑めた。
「うん、待たせたお詫びにケーキでもご馳走しよう。」
「いいね、それ。琥珀とデートしよ。」
「あ!兄ちゃんだけ狡い。僕もいくからね。」
「仕方ないな。今日だけだよ?」
意地悪そうに目を細めて要を見る。
2人で琥珀の居る場所へ向かって歩き出す。
一度だけ振り返ってみた母さんの墓石は、太陽に照らされてキラキラと輝いて見えた。
『ここで待ってるわ。』
そう言ってる気がした。
迎えに行った琥珀は、休憩所で見ず知らずのおばあさんと茶飲み友達になっていた。
ちょっと笑えたけど、来た時より軽くなった足取りで霊園を後にした。
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