第147話

翌日には通夜が行われ、近親者だけで母親を囲んだ。




葬儀には溢れる程の花を手向け母親を送り出した。





悲しいのに涙は出なかった。



火葬場の煙突から流れ出る煙を、要と2人で眺め続けた。






母親が居なくなった事に現実味を帯びたのは、要と2人で家を出た後だった。





偉そうな事を言っても、自分では生活出来ない糞ガキ。




父親から生活費とマンションを提供させた。





母親を追い詰めた責任を感じていた父親は、すんなり俺の言う通りにしてくれた。




ただし大学卒業後は実家を継いで欲しいと頭を下げられた。





俺は明確な返答はせずに、曖昧に言葉を濁した。




中学一年の俺には、そんな未来まで考えられなかったんだ。






ただ、母親の思い出の詰まったあの家から逃げたかったんだ。










父親にとっても母親の死は、相当のダメージになったらしい。




あんなに頑固で気丈だった父親の影はすっかりなくなって、年齢より老けてさえ見えた。





そんな親父は俺達が家を出た後一心不乱に仕事に打ち込んでいるらしい。




以前の様な浮ついた話は流れる事は無い。







そして、ぼろぼろになった俺達兄弟を支えてくれたのは、リク率いる銀狼メンバーだった。





馬鹿みたいに喧嘩に明け暮れても、女遊びに興じても、自ら立ち直ると信じて待っていてくれたんだ。






現状を受け入れて立ち直るまでには一年もかかった。




その頃にはリクが銀狼総長を引き継ぎチームは拡大し始めた。





俺を幹部に抜擢してくれて、要をチームに入れてくれた。






リク、総司、泰雅、猛君、そして銀狼の仲間達のおかげで、俺も要も自分を取り戻す事が出来たんだ。






馬鹿みたいに毎日走って、喧嘩して、笑いあった。







今ここにこうして居る事が出来るのは、支えてくれた仲間が居たからなんだよね。

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