第137話

胸糞悪い部屋を後にした俺達は母親を探し始めた。






触れ違う家政婦達の反応が可笑しかった理由があの光景だったなんて。






皆見て見ぬふりをしていたに違いない。







そりゃそうか?主人に意見できる奴も、逆らえる奴もいない。






ただ、現実に目を瞑り自分の仕事を淡々とこなすだけの家政婦しかうちには居なかったのだと気づかされた。






人間なんてそんなもんだよな?」




要の手を引いて歩きながら、口元に自嘲的な笑みを浮かべる。









俺が女を遊びにの道具として見始めたのは、この頃からだったのかもしれない。






所詮父親と同じ血が、俺の中にも流れていたって事だろうけどね。










俺と要は母親を探して回った。






ずっとずっと探し回って、ようやく見つけた時には、母親の精神は崩壊していた。







庭にあるフラワーガーデンの中で蹲っていた母親はもうその瞳に俺達を写してはくれなかった。








声を掛けても、肩を揺らしても、何一つ反応しない母親。







「お母さん、どうしたの?」



泣いて母親に縋り付く要。




俺は悔しさに拳を握りしめた。









お母さんはやっぱりあの光景を目にしたんだ。






ドウシテ?



あんな場所で?




お母さんをそんなに苦しめたかったのか?




あの女が誘ったのか?



それともあの人が誘ったのか?



湧き上がるのは父親と女への憎しみだけ。








座り込んだままの母親の膝に要が縋り付き、そんな2人を俺は小さな体で抱きしめた。








もっと・・・もっと俺に力があれば。






お母さんも、要も悲しませずに済んだかも知れないのに。









自分の弱さに涙した。

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