過去と決別と

蘭丸の世界

第131話

人が溢れる空港。





旅行鞄を手に2人の男が降り立った。





周りに居る人々はその2人に憧れや尊敬の眼差しを送る。




スラリと高い身長、誰もが見惚れる程の容姿。




ただ者じゃないオーラを垂れ流す2人に感嘆の声が飛び交う。





「キャー!」



「モデルのランじゃない?」



「隣に居るのはカナよ。」




女達の歓喜の声に眉を寄せながらも、貼付けた笑顔を向けてさりげなく手を振る。






「相変わらず日本は煩い。」


隣に居るもう1人だけに聞こえる様に呟く。




「ま、仕方ないでしょ?僕達って超有名人だし。」



ヘラリと笑って舌を出すもう1人。





「琥珀の結婚式じゃなかったら、絶対に帰って来てないよ。」



むくれた顔をする。




「フッ・・・兄ちゃんは相変わらず琥珀ラブだね。」


と笑った隣の人物を、




「煩せぇよ。要。」



と一瞥してから足を早めた。



似た顔の2人は良く似た作り笑いを浮かべながら、ターミナルゲートを潜るとタクシー乗り場を目指した。








この2人、桐生蘭丸と桐生要。




久々に日本に帰国した。






蘭丸は大学入学後一ヶ月も経たずに渡米した。





名目は親の会社を継ぐ為に帝王学を学ぶため、でも実際は大嫌いな実家から逃げる為。





渡米後は勉強の合間に、日本でもやっていたモデルを暇潰しに始めた。





それが何故か好評で、今では全米と日本、いや世界に名前と顔を広める程になっていた。





高2の春に一年遅れてやって来た要も、蘭丸のマネージャーに進められ、学業の傍ら蘭丸と兄弟モデルとして仕事をし始めたのだ。







蘭丸は大学を卒業した後もモデルとしての仕事を取りアメリカに留まった。





父親の猛反対にあってるが、要と2人で手を取り合ってアメリカの地で自分達の居場所を守り続けているのだった。

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