第124話
シスコンな俺の為に、力になろうと頑張ってくれてる君だから。
今度は俺が力になりたい。
琥珀ちゃんと対等に向き合う為にと単身渡米した六織。
今ならアイツの気持ちがわかるよ。
渡米を知った時は、好きな女を置いて行く六織の気持ちが少ししか理解できなかった。
泣かせてまで、苦しめてまで、自分から手放した六織。
琥珀ちゃんを連れて行って彼女の大切な時間を無駄にしたくなかったんだよな?
モニターに映る琥珀ちゃんは輝いて見えるよ。
六織はこんな時間を守りたかったんだよね?
琥珀ちゃんには自由で居て欲しかったんだよね?
「あいつには勝てないなぁ・・・。」
ポツリと口から洩れる。
天井の薄暗い照明を見上げた。
銀狼で騒いでいた時間を思い出す。
たった一年前だと言うのに、もう遠い日々の様な気がする。
みんな自由で訳もなく笑いあってた。
引退して、それぞれが進学した後は全員で会う機会はほとんどなくなっていて。
それでも、時々思い出す。
懐かしい日々。
俺は目を瞑って口元に笑みを浮かべる。
その時【トントントン】部屋をノックする音が聞こえた。
ん?カラオケ店の店員か?
何も頼んでないけど?
そう思いながらも、立ち上がってドアを開けた。
「はい。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・。」
ドアの外に居た奴を見て固まる俺。
しまった、モニターを見てなかった。
無言のまま互いに見つめ合う。
相手は相当緊張してると見える。
俺だって今のシュチエーションに少なからず緊張してる。
先に口を開いたのは、相手。
「す・・・すみ・・・すみません。あの・・・琥珀ちゃんに言われてきました。」
噛みながらもそう告げる目の前の男。
あぁ・・・本当に話し合う場を作ってくれたんだね?琥珀ちゃん。
彼女の凄さに完敗だよ。
「あ・・・じゃ、中に入るかい?」
出来るだけ紳士的に話す。
相手をビビらせてしまうのは得策じゃないからね。
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