第121話

「そうかなぁ?妹さんが今、こうやって笑ってられるのは総司君のお蔭だよ?きっと。」




そんな風に言われたら、涙出るよ、琥珀ちゃん。






「そうかな?」




「うん、そうだよ。だってさ、病気がちで心細い時に、ずっと傍に居て守ってきたんでしょう?妹さん、絶対に感謝してる。嫌いになったりしないよ。」




「だといいけど。」



俺は薄く笑う。




「自信持ってよ!同じシスコン兄貴を持つ私の意見なんだから。それにね、ひー君なんてもっと酷かったよ?私に告白しそうなそぶりを見せた男の子達をシメてたらしいからね?美香から真実を聞いて驚いたんだから。」



まったくもう・・・と肩を竦める琥珀ちゃん。





俺はそこまでしてないけど。





翡翠さん、ある意味最強だな?







俺なんて、まだ可愛いもんなんだろうか?





少し気持ちが軽くなった。









「ねぇ、総司君。」




「ん?どうかした?琥珀ちゃん。」




対面のソファーに座る琥珀ちゃんが真剣な表情で見つめてきた。





「彼と、話をしてみたらどうかな?」



突然の提案。




「は・・・なし?」



呆気にとられる俺をしり目に琥珀ちゃんは話を続ける。






「そう、こうやって見ててもさ。彼の事って分かんないし。それなら、面と向かって話してみるのもいいかな?って思う。」



「・・・・・。」




話し合うなんて、俺の予定にはなかった。





でも、琥珀ちゃんの言う事も一理あると思った。





「まだ、彼氏じゃないなら、傷も浅く済むし。話を聞くなら今だと思うんだよね。」



「・・・・そっか・・・そうかもね。」




俺が立ち聞きした時には、付き合って欲しいと告白されたと言っていた。





妹も前から好きだった相手だけど、まだ返事を返していない。





琥珀ちゃんの言う様に、ふざけた奴なら今のうちに排除した方が、傷も浅くて済む。






でも、どうやって接触する?








「それなら私に任せて。」



こういう時、エスパーになる琥珀ちゃん。



「はっ?」



やっぱり間抜けな顔をしてしまう俺。





「ちょっと、行ってくるね。総司君はここで待っててね。」



俺の返事も聞かずに、部屋を飛び出していった。




彼女は時々、びっくりするぐらい行動派に変わる。

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