第120話

さてさて、妹達は何をやってるのかな?





健全に、カラオケをしてるのを見て、ほっと息を付く。





俺達の送ってたような高校生活なんて、妹はしてるはずないよね?




分かっていても、やっぱり心配でしたかない。



どこまでもお兄ちゃんな俺。







そわそわしてしまう。







それでも、妹の楽しげに笑う顔を見て罪悪感は湧いてくる。





でも、あの男の本質を見抜かなきゃね?





見た目が真面目そうな奴に限って、裏では何してるか分からない。





現に、少し調べたら、あいつは中学の頃、相当遊び人だったらしいしね?






だから、ここまでの手段に出てしまった。





普通の奴なら、こんなに心配なんてしなかったよ。








「総司君、彼って裏がありそうなの?」




鋭いね、琥珀ちゃん。




「あ・・・うん。どうして?」




「うん、なんかねぇ。女の子の接した方がね。真面目そうじゃない。」



ヘラリと笑う。




こういう所は、鋭い琥珀ちゃん。





「中学の頃ね、結構遊んでたみたい。」



「そっかぁ・・・遊び癖直ってるといいね?」



「そうだね。」



俺は黒い微笑みを浮かべる。





確かに琥珀ちゃんの言う様に、直ってれば問題ない。





俺だって、そこそこ遊んでるから、こいつの事を言える立場じゃないしね?






でも、妹の相手としては相応しくない。




画面の中で楽しげにマイクを持って歌う男を睨みつける。







「フフフ・・・総司君のそんなテンパった顔初めて見た。」



琥珀ちゃんは可愛らしく笑う。





「・・・・・そんなに顔に出てる?」



まさか?と言う思いで聞いてみる。





「出てるよ。妹ちゃん、大事なんだね。」



「そうだね、大事で仕方ないよ。」



琥珀ちゃんには隠せないね。



俺はバツが悪そうに目を伏せると話を続けた。





「実はね、あの子は小さい頃、身体が弱くて。いつも熱ばっかり出しててさ。俺が守ってやらなきゃってずっと思ってきた。今こうやって見てれば、俺なんて居なくても妹は立派にやってるのにね?バレたら、ホント嫌われるね、こんなの。」



自嘲的に笑う。




妹をこんなにも、心配するのは俺のエゴかも知れない。

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