第110話
翌日、1限目と2限目だった俺は、早々に大学を後にしようと正門を目指して敷地内を颯爽と歩いていた。
相変わらず女の子達は、纏わり付いてくるけど、今はそんな事構っちゃいられない。
「夏目様。」
「総司様。」
名前を呼ばれても、視線を向ける事はない。
だいたい昔から、悲鳴を上げて近寄ってくる女の子達は好きじゃない。
あからさまに擦り寄ってくる女の子。
自分の女としての武器を全面に出す子に魅力は感じないんだよね?
ま、俺も男だからね?
たまにつまみ食いはする。
一夜だけの関係。
綺麗事なんて言わない。
気持ちが無くても、自分の欲は吐き出せる。
ま、最近はそんな事も出来ないなぐらい忙しいんだけどね?
それ程に医科大学は、気を抜けない所。
やるなら、中途半端じゃなく、立派な医者になりたいんだ。
実家が病院だからってのもあるけど。
今はそれだけじゃない。
中学の頃から無茶して、父親の病院にも色々世話になって来た。
その度に俺達に親身に接してくれたのは、病院の看護師や医者達。
患者一人一人に、親身になって接して。
共に病気や怪我と戦う姿にいつしか、俺も夢を見る様になった。
患者や患者の家族から慕われる病院スタッフを見て、素敵な職業だと思えたんだ。
最終的に、真面目に将来を考えたのは、琥珀ちゃんに出会ってからだろうな?
いつも、どんな時も真っ直ぐな琥珀ちゃんを見て、俺も真っ直ぐに生きてみたいと思えたんだ。
今ここに俺が居るのは、琥珀ちゃんのおかげだとも言えるね?
俺は口元に笑みを浮かべながら、早足で正門へ向かった。
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