第97話
幾つかのクレーンゲームをして手に入れたぬいぐるみを嬉しそうに抱きしめる琥珀と、ホテルへの道を並んで歩いた。
夜の繁華街はとても賑わっている。
擦れ違う人全てが幸せそうに笑ってる気がした。
自分が幸せを噛み締めていたから、そう思えただけかも知れないけど。
琥珀とはぐれないように、しっかりとその肩を抱きしめる。
小さくて華奢に見えるけど、実の所、無駄な脂肪なんてない引き締まった均等の取れたスタイルをしてる琥珀。
前に、自宅に居る時は道場での自主練をかかさないと言っていたのを思い出した。
道端に溜まったりしてる奴らや、彼女連れの男達が、通り過ぎる琥珀に目を奪われてる。
いちいち、そんな奴らに睨みを効かせてる俺は余裕がないんだと思う。
琥珀を嫌らしい目付きで見る連中を牽制しながらも、ようやく自分の彼女になってくれた琥珀を見せびらかしてしまう俺。
ホント、今までじゃ考えられなかった事だけど。
琥珀を皆に自慢してやりたいと思うんだ。
マジで、余裕無さ過ぎでしょ?
口元に笑みが浮かぶ。
「ナナ、どうかしたの?」
打算塗れの俺を、琥珀の純粋な瞳が見上げる。
「ううん。何でもないよ?ぬいぐるみ持つの手伝おうか?」
首を左右に振ってから、琥珀の顔を覗き込む。
「大丈夫だよ。沢山取ってくれてありがとね?大切にするね。」
ゲームセンターの袋一杯に入ったぬいぐるみを幸せそうに両手で抱きしめる姿に、心臓が跳ねる。
「こんなので良かったらいつでも。これからは沢山色んな場所に行こうね?」
ゲームセンターのぬいぐるみぐらいでこんなにも喜んでくれるなら、何度だって連れて来るよ。
今まで、制限されてた行動も、カレカノになれば広がる。
琥珀とは色んな事をして、色んな場所に行きたい。
幸せ全てを共有して行きたいんだ。
やっと横に立てる権利を貰う事が出来たんだからね。
もう、離してあげれない。
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