第96話

琥珀は出来上がった写真を恥ずかしそうにしながらも、ハサミで印刷したてのプリクラを分けてくれた。







「はい、これがナナの分ね。」




手渡されたそれを受け取る。





「うん。ありがと。良く撮れてる。特にこれなんか!」




キスプリを指差した俺に、





「・・・もう、ナナなんて知らない。」



拗ねた様に口を尖らせた。





そこに、顔を近づけるとチュッとリップ音を鳴らしてキスをする。





「なっ!・・・・なな、ナナ、キスばっかりしすぎだよ・・・。」



ワナワナと唇を震わせて抗議する琥珀。






その顔は見る見る赤らんでいった。





「琥珀が可愛いからつい。」




なんて、透かして笑った俺に、





「もう、キス禁止なんだから!」




プリプリと怒りだした。








「ごめんね?琥珀。そんなに怒らないでよ。今まで、触れたくても触れられなかった反動なんだよ。」



正直に伝えてみる。






「・・・・・・。」




「やっと手に入ったんだ。触れたいと思ってしまうのは不思議じゃないだろ?それにそんな可愛い顔する琥珀にだって責任あるよ。」



説き伏せる様に、自分の持論を言いながら、琥珀の長い髪を一房掴んで微笑んだ。








「・・・わ・・・分かったけど。場所はわきまえて。」



俯き加減で、さっきから集まる視線に目を向けた琥珀。






確かに・・・注目の的になってるね?






恥ずかしそうに目を伏せる琥珀が、堪らなく愛しい。







「ごめんね。つい見せびらかしたくて。可愛い琥珀は僕の物なんだよ!って。」



眉を下げて琥珀の顔を覗いた。






「もう・・・ナナは甘すぎる。」




困り顔で俺の胸に顔を埋めた琥珀。





琥珀が相手なら、いくらだって甘くしてあげる。






甘やかして、とろけさして、俺から離れられなくなればいいんだ。




俺なしじゃ生きられない様に、琥珀の全てを奪いつくしたい。





お願い・・・こんな欲望塗れの俺に、どうか気付かないで。

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