第91話
「な・・・ナナ?」
腕の中で戸惑った瞳を俺に向ける琥珀。
「ごめんごめん。つい可愛くて。」
そう言いながら琥珀を解放すれば、頬を赤らめて俯いた。
ホントに可愛すぎる。
女の子をこんなにも愛おしいと思う様になるなんて思わなかった。
幼いあの日、琥珀に救われ。
そして、憧れた。
でも、再会した時にはもう手の届かない場所に居て・・・。
何度も何度も・・・諦めた。
それでも、心の中から琥珀が消える事はなくて。
琥珀を忘れようと他の女の子を抱いた事だってあったけど、満たされる事なんて一度も無かった。
そんな彼女が今、目の前に居る。
手を伸ばせばすぐ手に入れる事が出来る位置に居るんだ。
「・・・ナナ・・・どうかした?」
俺の腕をグイッと引っ張る琥珀。
「・・あっ・・・ううん、なんでもない。さ、プリクラを撮りに行こう。」
ゆっくりと左右に首を振ると、琥珀の肩を抱いた。
「うん。最近のプリクラの機械は凄いんだよ。ナナは撮った事ある?」
「実はね、無いんだよね。」
ヘラッと笑って見せた。
「ホントに?じゃ、今日が初体験だね。」
と言って無邪気に笑う琥珀に小さく頷いた。
「うん、琥珀と初体験。なんだか、響きがヤらしい。」
意地悪を言った俺に、
「も・・・もう、ナナなんて知らないんだから。」
と口を尖らせてそっぽを向いた。
「冗談だよ。そんなに怒らないで。」
肩を抱いてた手を腰に回して引き寄せる。
「やだ・・・ナナ、くっつき過ぎじゃない?」
照れた顔で俺を見上げる。
その顔、反則だからね?
一カ所に血が集中しそうになる。
無意識に可愛すぎる仕草するから、ホントに困るよ。
リク兄もいつもこんな苦労してたんだろうか?
そんな君を見て、周りから溜息が漏れていた事を君は知らないだろうね?
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