第78話
しばしの沈黙・・・・・・。
先に口を開いたのは、赤髪。
「具合どう?水持ってきたけど飲める?」
そう言って歩きながら、手に持っていたペットボトルの水を差し出してくれた。
「あ・・・う・・うん。ありがとう。」
赤髪の余りにも穏やかな態度に、拍子抜けしながら差し出されたそれを受け取った。
「急に倒れたから心配しちゃった。誰かも分からないし、放っておくわけにもいかないからうちに連れてきたんだ。」
赤髪は、私の足もとに腰を降ろすと心配そうな顔で見てくる。
あぁ・・・その人が助けてくれたんだと理解した。
「迷惑かけてごめんね?」
と言えば、
「良いんだよ。困ってる時はお互い様。」
赤髪が容姿に似合わずかなり優しい。
ペット取るの水を飲もうとして、キャップを捻るのに力をを入れたら、痛みが襲ってきた。
「イタッ!!」
もう・・・腕の筋肉もヤバいじゃん。
「大丈夫?俺が開けてあげるよ。」
赤髪は私の手からペットボトルをヒョイッと取り上げると、いとも簡単にふたを開けて差し出してくれた。
「ありがとう。何から何まで。」
申し訳なく思いつつも、再びペットボトルを受け取ってそれを一口飲んだ。
全力疾走して、水分の少なくなっていた体には有り難かった。
冷たくて美味しい。
我を忘れてゴクゴクと喉を鳴らして飲んでしまった。
はっと気づいて彼の方を見ると、優しく笑ってた。
本当に笑顔の素敵な人だと思った。
でも、出来ればそんなに見つめないでいただきたい。
よく見ると男前な赤髪、さすがに良い男に見られてると照れるんですよ。
赤らむ頬を隠す様に俯いた。
「ねぇ、君追われてたんだよね?」
そう聞かれ、私を見捨てようとした馬鹿彼氏の事を思いだした。
「・・・う・・・うん。」
悔しさで、今頃になって涙が出てきた。
「あ・・・泣かないで?言いたくないなら言わなくていいんだけど。あいつらは俺が蹴散らしておいたからもう心配ないよ?」
さりげなく近寄ってきた赤髪が、泣いてる私の背中を摩ってくれた。
その手があまりにも優しくて、余計に涙が出た。
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