第74話

男達は晃に神経を集中してるらしく、私が後ずさってる事に気付かない。






ドキドキと脈打つ心臓。





緊張で吐きそうになる。






こいつらに捕まったら、何されるかなんて目に見えてる。






男性経験が多い私でも、廻されるなんて御免よ。







鞄を胸元にギュッと抱きしめる。








手にかいた汗。






バクバクと言いはじめる心臓。






お願い神様。






私を助けてください。









周りの野次馬なんて、助けてくれる様子もない。







当てにならない人達に、助けを求めるつもりなんてないけど。





こんなに人が居るのに、1人ぐらい助けてやろうって奴が居てもいいじゃないよ。





心の中で悪態をつく。










ふっ・・・・・世の中なんて、こんなもんか?





口元に自嘲的な笑みが浮かぶ。







ある程度の距離を取ることが出来て、小さく深呼吸した。







そしてそのまま身を翻すと、一気にその場から駆け出した。








「あ!逃げたぞ。」




「おい!待て。」






背中に男達の声を聞きながらも、足を止める事もなく走り続ける。







待てなんて言われて、待つわけないじゃない。







ひたすら足を動かす。






絶対にあんな奴らに捕まりたくない。







胸が最高頂に脈打つけど、足を止める訳にはいかない。






後ろから追い掛けてくる足音に、恐怖を覚えながらも、ひたすら走った。









誰かお願い助けて。











琥珀、助けて。









あ~もう~!







誰でもいいから助けてよ。







男達の怒鳴り声に、涙目になりながらも必死に走った。






ホントに、あいつらしつこ~い。





結構な距離を走ってるのに、追い掛けてくる足音が止む気配ないし。

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