第70話
夕暮れの繁華街は、昼間とは違う賑わいを見せはじめていた。
歩きながら見かけるのは、私達みたいな学校帰りの学生や、仕事に行く前の夜の人達。
「今日は親居ないんだ。うちに来いよ?」
肩を抱かれながら顔を覗かれた。
「・・・うん。」
頬を赤らめて返事をすると、
「可愛すぎる。」
と頬っぺたにキスされた。
晃は甘い。
今日のお誘いが意味するのはきっと・・・。
付き合って一週間、そろそろ体の関係を持つ頃なのかも知れない。
晃はいつもの男達違う、無理矢理そう思い込む。
だから、体の関係になる事も問題ないはず。
はっきり言って、未経験じゃない。
それなりの人数と付き合ってたし、それなりにヤッて来た。
あんな行為に意味を感じない。
体を絡め合って、愛し合う意味が分からない。
「どうかした?不安か?」
眉を下げた晃に、
「ううん。違うよ、ドキドキしちゃって。」
と無理に笑って見せる。
「そうか?だったらいいけど。ご飯食べてから帰ろうな?」
優しく微笑むと、私の髪を優しく撫でた。
晃には、私の心の内は分からない。
だって、貼付けた私の笑顔に気付かないんだもん。
そう分かっていても、晃を切れないのは、私が寂しがり屋だからだと思う。
一人寝の寂しさは十分に味わって来た。
誰でもいいから、傍に居て欲しかった。
晃は良く我慢した方だと思う。
酷い奴は付き合ったその日に求めて来た。
晃とは後どれだけ一緒に居られるんだろうか?
貼付けた笑顔を向けながらそんな事を考えていた。
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