第71話
それでも、楽しそうな顔をする晃に寄り添い繁華街を歩く。
すると急に前が暗くなった。
ドンッと言う音と、
「いってぇな!」
とドスの効いた声がした。
声のした方に視線を向ければ、私を抱き寄せてる反対側の肩にぶっかったであろう人物が、鬼の様な形相で晃を睨みつけていた。
しかも、3人も居る。
3人とも質が悪そうな連中。
ぶっかったのだって、明らかに向こうの方だし。
所謂、インネンってやつだと思う。
ここは晃が言い返すよね?
期待を込めて隣を見上げれば、青ざめた晃の顔が目に入った。
・・・うん、やっぱりね?
さっきから、体が密着してる部分から、晃の震えが伝わって来てたんだよねぇ。
まさか、置いて逃げるとかないよね?
嫌な予感がして仕方がないんだけど・・・。
「おい、どうすんだ。肩痛いじゃねぇかよ!」
胸倉を掴まれた晃は、あっさりと私の肩を離した。
「・・・す・・・すすいませせん。」
もう日本語じゃないし。
「アタタタ・・・医者に行かなきゃな?」
ぶつかった男が肩を押さえて大袈裟に痛がって見せる。
どうみても、怪我してないでしょ?
本気で痛い人間は、そんなずる賢く笑ったりしないわよ。
言いたい事は沢山在った。
でも、非力な私が余計な口出しをしても仕方なさそうなんだもん。
「で、どうすんだ?ああ?慰謝料はくれんだろな?」
「・・・あ・・・・ありません。ゆ・・許してください。」
真っ青な顔して、声が震えてる晃。
「ああ゛?聞こえねぇな?」
ほんとに、こいつら質悪い。
あ~こんな事なら、琥珀の誘いを断るんじゃなかったわ。
「可愛い女連れてんじゃん。」
琥珀に思いを馳せていた私の肩を男が掴む。
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