第68話

「また、明日ね?」



と手を振ってくれた琥珀に、




「うん、また明日。」



と返す。






「気をつけて行ってらっしゃい。」



なんて可愛い事を言われ、




「琥珀こそ、気をつけてなさいよ。」



と、琥珀の頭を撫でた。





小さな琥珀の頭は凄く撫で心地がいい。








「大丈夫。いざとなったらやっちゃうから。」



御人形みたいに可愛い琥珀が拳を握り絞める。





似つかわしくない喧嘩慣れした拳に、小さく溜息を漏らした。







可愛い癖に、牙を剥くとその辺の男なんて目じゃないぐらい強い琥珀。






昔から、何度も助けられた。






自宅が道場をやってるせいか、琥珀はやたらと正義感が強い。






そのせいで、街中で乱闘なんて事もしばし。







こんな小さな子なのに、目茶苦茶強かったりするの。








「程ほどにしなさいよ。」



頭をポンポンとしてあげると、




「は~い。」



と悪戯っ子みたいに笑う。









琥珀と教室の入口で別れて、彼氏の晃(アキラ)と待ち合わせてる昇降口に向かう。






晃は2年生。





襟足の長い茶髪で、耳にピアスをジャラジャラとしてる、いわゆるヤンキー。






軽い感じの男に間違いない。






私には、そんな奴しか声を掛けてこない。






本気で人を好きになれない私には調度いい。






でも、軽い気持ちで付き合う訳じゃない。





自分を必要としてくれて好きだと言ってくれるから、今度こそ私も好きになれるんじゃないかと付き合い始める。





でも、今まで本気になれた相手は居ない。






軽い男は所詮軽い。





口先だけで、体だけが目的の奴が殆ど。






だから、私の恋愛は長続きしない。







体が目的の奴じゃなくても、『美香は冷めてる。』なんて言って去って行く。





私はどうやら、恋愛に向いてない感じ。






今回も、今度こそは!と付き合ってる。






今の所、幸せに過ごせてる。

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