第63話

高い天井に飾られてるシャンデリアがキラキラと、下を歩く2人を照らしていた。










チャペルまでの短い道のりを、昔の様に手を繋いで歩く。








翡翠が居て、琥珀が居て、珊瑚が居て。









翡翠には琥珀の隣を嬉しそうに微笑む珊瑚の姿が見えたような気がした。










長い道のりを歩いてきた。








ここが決して終わりじゃない事は誰もが知ってる。








ここからが新しいスタート。








人のほとんどいない渡り廊下に、琥珀のヒールの音と、翡翠の革靴の音が響く。











「ひー君、今までありがとう。」




潤んだ瞳で翡翠を見上げる。








「ばか・・・しんみり言うな。」





翡翠の瞳にもうっすらと涙が滲む。







「でも、今言いたくって。ひー君はいつもそばで私を守ってくれた。ホントに感謝してる。」





「大事な妹なんだから、当たり前だろ?」




「うん・・・でもありがと。」





「あぁ、幸せになれよ?」



翡翠の優しい瞳に琥珀が映る。






「うん、幸せになる。」



「珊瑚も、きっと見てる。」



「うん、そうだね。」





琥珀はガラス張りの渡り廊下の天井を見上げたそこには、厚い雲に覆われたその隙間から垣間見える青空。






「雪と、青空が混在してるなんて変な天気。」



と笑えば、




「たぶん、珊瑚の仕業だな?あいつそう言うの好きだったから。」




「そうかもね。」




昔を懐かしみながらも足を止める事はない。









「あ!、親父に奴、待ちくたびれてる。」




翡翠の視線の先には、チャペルのドアの前で緊張した面持ちの父親の姿。






「ホント、お父さんが居る。」




「仕方ねぇから、バージンロードを琥珀と歩くのは諦めてやるか?」




おい・・・歩くつもりだったのか!





ツッコミそうになった琥珀。










「親父、琥珀を頼む。最後の大仕事だ、ドジるなよ?」




どちらが父親なのか分からない発言。





「わ・・・分かってる。」





お父さん・・・声震えてるよ。





琥珀はそんな可愛い父の姿に、口元を緩める。

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