第14話

なんて表せばいいのかわからない感情で胸が締め付けられる。



こんな風にあの人の大きさを痛感したとき。




年齢とか立場とか経験とか、

それ以外のものも全て。



最初から勝てる気がしなかった。




だから、




好きな女が幸せでいつも笑っていられるなら、

それだけでいいんじゃねぇかって、最近やっと思えるようになった。






地下から車を出し、正面に車を停めた。


ビルから出てくる人影に、俺は助手席から外に出て、後部座席の扉を開けた。そのままその場に直立していると、数名の組員を従えた2人が外に出てきた。




特に会話なんてしていない。

なのに、誰にも邪魔できない2人の持つ空気感。



全く関わりのなさそうな正反対のタイプに見えるのに、

お互いがお互いを大事にしていることを隠しもしないから。




彼女を見ると胸がギュッと潰れそうになるのはどうしようもない。



視線をズラすと、俺を射抜きそうな強い視線と出会い、その凛々しい眉が尋ねるかのように小さくくっと上がった。

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