第4話
「今回は恋季にバタバタさせてしまってごめんな?」
眉を下げてそう言えば、
「何を言うてるんや?別にバタバタしてへんし。紫音が気を使う事やないで?」
優しく微笑んでくれる。
そんなことないくせに、今日だって後処理で警察に行ってくれてたんやろ?
ほんま頼りになる親友やと思う。
「恋季には足向けて眠られへんな?」
クイッと口角を上げる。
「何を大袈裟な。所で、その甘えん坊の彼氏は爆睡中か?ラブラブなんはえぇけど、独り身には目の毒やな。」
クククと笑い飛ばすと、膝で眠る影虎を指差した。
甘えん坊・・・・確かにそうかも。
うちのお腹に顔を埋める様に腰に腕を回して眠ってる影虎。
改めて言われると恥ずかしくなる。
赤くなる頬。
影虎は、ここに帰ってきてからこの調子。
うちを離してくれへんねん。
最初は抵抗してたけど、今はもうなすがままになってる、うち。
「なんかな?離れてくれへんねん。」
言い訳っぽくなるけど言ってみる。
眉を寄せたうちは困り顔のまま恋季に視線を向けた。
「・・・・・ふっ、まぁ仕方ないな。紫音が城之内の母親に襲われたって連絡来た時の慌て様は半端やなかったしな?」
恋季が眉を上げて影虎を見る。
「・・・えっ?」
「諦めて暫くは思う様にさせてやれば?心臓が止まる思いをさせてしまったんやからな。」
恋季の言う通りかも知れへん。
うちは俯いて影虎を見つめると、その髪を優しく撫でた。
「それに、昨日は色々あって余り眠れてないから、甘やかしてやってよ。」
切り分けたシフォンケーキと人数分の珈琲カップをトレーに乗せた啓太がそう言いながら歩いてきた。
「啓太?」
視線を上げる。
「虎もさ、ポーカーフェイスで分かりにくいけど、しおちゃんを凄く思ってるからね?」
片目を瞑ってみせる啓太。
そのウインクは何人の女の子を虜にしたんや?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます