第Ⅰ章 第9話

「分かりました。では、行きましょう、お姉様」

私は、お姉様にそう話した。


「ええ」

お姉様はそう答えた。


お姉様は私と香雪、雪華を連れて、学院の校舎を出ると、中庭に出た。



この中庭には綺麗な庭園があり、庭園の一角のテーブルに向かうとそこには千早とアヴァロンの騎士達が揃っていた。


「お疲れ様、雪菜ちゃん。鈴音ちゃんからお聞き致しましたが、大丈夫でしたか?」

穏やかな口調で私を労ったのは、アヴァロンのお母さん的存在で、天羽女学院二年生・有栖川優凜(ゆり)様である。


学院では《聖弓の騎士》、《蒼穹の騎士》と呼ばれている。


「ごきげんよう、優凜様。


ええ、少し・・・いえ、かなり問題が山積しておりますわ」

私はテーブルの椅子に座りながらそう答えた。


すると「あの・・・私達、付いて来てしまいましたが、構いませんでしたか?」

そう聞いたのは、同じ一年生で、私、お姉様、香雪、雪華、鈴音、涼香とは違うクラスで、アヴァロンの騎士・斎宮愛織(あいり)さん。


学院では《神剣の騎士》と呼ばれている。


「いいえ、問題有りませんから、お気になさらないで下さいな。


それに、後で話す事には、貴女方、アヴァロンにも関係している事ですから」

私はそう答えた。


「我々、アヴァロンが?」

そう聞いたのは、鈴音の姉で、天羽女学院二年生にして、最強騎士団・アヴァロンを率いる騎士長・貴志鈴楓(すずか)様。


学院では《聖盾の騎士》と呼ばれている。

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