第19話

「か―――ええ!?ちょっ…」


雫が手の甲で口元を押さえている



真っ赤になる頬



まったく、コイツは



――――いつになったら慣れるんだ?



そんなことを思いながらも雫との距離を徐々に詰めていく



「―――――雫…」



雫の頬にそっと手を置くとその瞳を覗き込むように見つめた



恥ずかしさから視線を泳がせて逸らそうとする


「雫…?―――俺を見て?」



「え……」



一瞬、目を見開いて俺を見上げた雫が、やっぱり恥ずかしいのか、目を伏せる


そこにある長い睫毛が揺れている

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