第11話

ズンズンと少し早足で歩く冬夜


『冬夜、そんなに急がなくてもまだ電車には間に合うと思うけど』


後ろから涼太の声が聞こえてくる


「わかんねーだろ?少し急げよ」


顔だけを後ろに向けて急かすような素振りをする



――多分、そんなに急がなくても次の電車でもいいわけだし


どちらにしても充分間に合うはずだけど…



“俺の部屋に行こ?”


そう言った冬夜の言葉を思い出して、思わず顔を赤くしてしまっていた

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