第10話

『……葉月ちゃんは…帰らないの?』


芹香がそう聞くと、やっぱりいつものよう微笑み


『帰るよ?もちろん。駅まで一緒していい?』


そう聞いてきた



『あー……』


私達の方をチラッと見てから


『まあ…いいけど…』


そう呟いた芹香



『――――急がないと電車来るぞ』


携帯の時計を見ながらそう言って促したのは涼太だった



「そうだな、早く帰ろう」



冬夜は私の手を握ったまま駅へ向かって先に歩き出した



それにつられるように3人が後ろをついてくるのを目の端に捉えながらも



ただ、黙って冬夜に引っ張られるように歩いた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る