第48話・来客は第二皇子でした…
聖人様が先見の術で男性が来ると言っていたので門で大司教様達と待っていた。
「ロゼリア嬢、第二皇女様の
「第二皇子様ですか…」
今度は隣国の第二皇子が来るのかとドキドキしていて待っていると見たことも無い馬車が門で止まりこちらも付き人の人が扉が開きこちらも見事な金髪の髪の毛で、見目麗しい男性が現れた。
「ようこそ、いらっしゃいました。第二皇子様」
「大司教様は俺が来るのが分かっていたような口振りだな」
第二皇子は、私達の出迎えが気に入らなかったのか素っ気ない態度だけども私と大司教様の二人じゃないのよ?大司教様達だから何十人っているのよ?と思いつつ黙ってる。
「第二皇女様は今、聖人様の治療を受け中です」
「そうか」
第二皇子様は大司教様が応対して下さってるから私の出番がなくてホッとしていて早く聖人様の所に行きたい気持ちを抑えながら歩いてるけどさっきから視線をチラチラ感じる。
「……?」
「…お前の名前はなんと言う?」
「…?私ですか?ロゼリア=ウダンと申します。聖人様のお世話係を務めさせていただいております」
皇子様に自己紹介をすると、「ふーん」と素っ気ない態度で返された。
「第二皇子様、第二皇女様はこの部屋で治療中です」
「第二皇女になにかあったら貴殿を許さないからな!」
「もちろんでございます。細心の注意を払って治療をしております」
治療部屋の扉を開けると第二皇女様が治療を聖人様からまだ受けていた。
「獣耳!!聖人が獣耳だとっ!?」
第二皇子様が聖人様の姿を見るなり震えだした。
「その声はお兄様!?」
第二皇女様が目を開けて起き上がろうとするから聖人様が一旦治療を止め皇女様は起き上がった。
「お兄様!なんでこの国にいるのですかっ!」
「お前が治療しに行くと噂で聞いたから追いかけて来たんだ!それより皇女!お前は獣耳に治療を施されてるんだぞ!穢らわしいから早く離れろ!」
この皇子…今なんて言ったの?
獣耳は穢らわしい…と言ったの?と皇子を睨みつけそうになった時に皇女様が怒鳴った。
「お兄様!何を言ってるですか!尊いお方が獣耳さんだろうと人間だろうと差別はいけませんわ!」
皇女様〜!!なんて気持ちのいい事を言ってくださるの?と心の中で大拍手を送っていた。
「皇女…!獣耳だぞ?喰われたりしたら…」
「聖人様、おバカすぎるお兄様の言葉は気にせずに治療を続けて下さいますか?」
「では、続けますね」
皇女様は、再びゆっくりと一人で寝っ転がって目をつぶり聖人様から治療を受けるけど一瞬だけ自分の行動にビックリしていた。
「聖人様!今見ましたか?一人で寝っ転がれましたよ!」
「えぇ、見ましたよ。でも完全ではないので続けます」
付き人の人も驚いた顔をしていて皇女様は人の手を借りないと起き上がるのも寝っ転がるのも無理だったんだなって感じたけども…隣の皇子が失礼だと思うけどうるさい。
「ロゼリアと言ったな!今すぐにでも治療を止めろ!」
「第二皇子様、申し訳ございませんがそれは出来ません」
「何故だ!獣耳に喰われたらどうする!」
そもそも獣耳族が人族を食べる風習は昔から無いのにこの皇子様はどこからそんなデマを…。それに聖人様から治療を望んでる第二皇女様の気持ちを汲んででも止める
「獣耳だぞ!野蛮で穢らわしいのが聖人なんてこの国は終わってる!!」
聞きたくない言葉を並べて聖人様を穢す第二皇子。
「皇女は、連れて帰る!今すぐにでも治療を止めろ!」
第二皇子様が聖人様に近付こうとするけど足が動かないのかその場で立ち止まってる。
「治療を止めろ!皇女を返せ!」
第二皇子様は獣耳が怖いのかその場で叫んでいて私も大司教様も黙って聞いてる。
「聖人様、お兄様が
「他国では獣耳は忌み嫌われ者なので皇女様が謝る必要は無いですよ」
「聖人様…」
皇女様の言う通り皇子様はそれ以上は近付かなかったけど喚いてうるさかった。
「皇女様、三日ほど滞在して治しましょう。滞在手配は大丈夫ですか?」
「滞在は何日でも大丈夫のようにお父様には手配してありますわ!」
「それなら、また二時間後に治療を続けましょう」
「はい!聖人様」
目を開けて起き上がった皇女様は、聖人様に何か言いたそうだった。
「聖人様、ここにいる間は私とお茶をしてくれますか?」
「皇女!獣耳だぞ!喰われたら…」
「良いですよ。お茶をしましょう」
だから、聖人様をなんだと思ってるの?
獣耳が野蛮で穢らわしいなんて言う皇子様は好きになれないと治療が終わった聖人様に近寄ろとしたら引っ張られた。
「?」
「ロゼリアは、どこに行くんだ!」
「私は聖人様のお世話係です!離していただけますか」
皇子様に腕を掴まれて聖人様の所に行けないじゃないの!
「ロゼリアも喰われたら大変だからここにいろ!」
この皇子様は大事な隣国の第二皇子様だろうと思うけど好きになれない!
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