第42話・お休み終了しました
お休みを全てジュンさんのお家で過ごしたのだけどもほぼ毎日、彼に抱かれていた記憶しかないのだけども…と思いながら制服に着替える。
「首周りにキスマーク付いてないよね?ジュンさんに言ったから大丈夫よね?」
「大丈夫ですよ。背中と胸と足はジュン様のお嬢様が大好きってよく分かりますわ」
「制服で隠れるから良いけど隠れなかったら私、恥ずかしすぎて歩けないー!」
視線を泳がしていたら自分のトランクが目に入りお母様に「荷物送るから」と言われていたと思って両親にはジュンさんの家で全てを過ごして彼の家から王宮に向かうと分かっていたのか…と恥ずかしがりながらも前もって手紙を送り王宮に帰る日になったので二人とも制服姿です。
「ラッカ!元気でいてね!」
「お嬢様もお元気でいてください」
ラッカは、ジュンさんの家で公爵使用人の教育をするそうで聞いた時は驚いたけど嬉しさもあった。
〔お嬢様が結婚する時も付いていきますから〕
〔それは嬉しいけど自分の人生も大事にしてね?〕
…なーんてあってまたラッカと離れるのは寂しいけどまた休暇で帰った時に会えるからその分楽しみにしてようと思った。
「カールトさん、また帰って来ますね…」
「ロゼリアさま、お待ちしております」
カールトさんが私と挨拶した後にジュンさんと話しをする。
「また、家を任せる、カールト」
「はい、ジュンさま。ジュンさまとロゼリアさまが帰って来るまで守らせていただきます」
先に私が馬車に乗り込み、ジュンさんも馬車に乗り込むと扉が閉まり王宮に向かって動き出す。
「今度、帰って来た時にはカールトさんに“ただいま”って言えるといいな」
そう呟いたら大きいため息が聞こえてきたからそっちの方向を向いたらジュンさんが頭を抱えていた。
「今すぐにでも俺のをゴム無しで放ちたい」
「なっ…!!ジュンさん!何を言ってるんですか!!」
ジュンさんと対面に座ってるけど目が合って逸らしたら喰われてしまう感覚に陥る。
「……っ」
生唾をゴクッと飲み込んでゆっくりと視線を逸らしたら馬車がガッタガタと揺れてバランスを崩しそうになったらジュンさんがその隙に立ち上がって私を抱きしめてくれた。
「ロゼリア、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
何度も抱きしめられてるのに今日は一段とドキドキが止まらない。
「ジュ、ジュンさん…もう大丈夫ですから離してくれますか?」
「何でだ?あぁ、危ねーから俺の膝上に乗るか」
「えっ?膝上っ!?」
驚きのままヒョイと持ち上げられてジュンさんの膝上に座る。
「ジュンさんっ!!恥ずかしい!」
「俺とお前の二人だから恥ずかしいなんてねーし、危ねーから暴れるな」
ガッチリとホールドされて動けなくて体重をかけないようにする乙女心を分かってほしいと切実に願いながら馬車は王宮に向かう。
「聖人様、ロゼリア嬢。お帰りなさいませ」
「出迎えありがとうございます、大司教様」
「お久しぶりです。大司教様」
久しぶりに王宮に着き、大司教様を見て心の中で堕落した生活をほぼ毎日ってほど送ってましたと謝っていたら、ジュンさんが両足を擦っていたから大司教様が尋ねる。
「聖人様、足がどうされましたか?」
「両足が痺れましたから少し待ってくれますか?」
悪びれなく笑って言うけど今までジュンさんの膝上に乗ってましたから私の体重で痺れてるんですなんて言える理由がない。
「正座をされていたのですね。ご立派です」
「えぇ。ありがとうございます」
堂々と嘘を付いたよ、この人っ!!って驚いていたらジュンさんの腕に絡みつく女性が視界に入る。
「聖人様!会いたかったですわ!」
「フランワさん、元気そうで良かったです」
フランワさんの存在をすっかり忘れていましたと思いつつ歩き出し、隣接してる教会に入り床に結界術が描かれたものの中に聖人様が足を踏み入れる。
「聖人様さっそくですけど術を確認します」
大司教様が術を唱え結界の中に入った聖人様は光に包まれて以前より輝きを増してる。
「おぉっ…!!凄い力を感じる…」
「歴代の聖女様・聖人様と並ぶ力だ…」
光が一気に聖人様の中に吸い込まれて術の確認が終わる。
「聖人様、とても充実したお休みを迎えられて一同安堵しました」
「えぇ、とても充実したお休みでした」
満足して微笑まれて眩しいーっと思ったけど再度思うけど聖人様と二人で清らかな生活ではなくほぼ毎日堕落してましたけどねって悶々しながら聖人様を見つめる。
「聖人様ったら私に会えなくて寂しい思いを募らせてここまで成長していたのね!凄いわ!」
フランワさんのポジティブな考え方はとても素敵だけどあんな事があったからやっぱり好きになれない…。
「聖人様、この後は会議です。お二人はまた待機室でお待ち下さい」
「はい」
「大司教様。荷物がそのままなので部屋に置いてからでも良いですか?」
「構いませんよ。聖人様のはお運びしておきます」
私とフランワさんは荷物を持ってそれぞれ久しぶりの自室に向かった。
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