第38話・久しぶりの友人との再会

婚約した日は、寂しいと思いながらも難しい部分もあったけどマナー本に熱中して夕飯そっちのけで読んでいて次の日は、久しぶりにキロナに会う約束をしていたのでおめかしをしてお土産を持って彼女の家に向かった。


「ロゼリアー!!久しぶりね!」

「キロナー!!元気してた??」


玄関にて二人で抱き合って久しぶりに会えた喜びを噛み締めていた。


「どう?どう?お世話係は」

「大変だけど楽しいわ。ジュンさんの傍にいられるから」


客間に案内される途中でお土産をキロナに渡して彼女は、使用人に渡し向かいながら照れて言ったらキロナがニヤリと笑って聞いてきた。


「ふー…ん。ジュンさんとねぇー…」

「うっ、うん…」


私の歯切れの悪い返事を聞いて頭の先から下を見てズバリ言い当てる。


「ジュンさんと結ばれたんでしょ?婚約もしたのかしら?」

「なっ…!なんで分かったの?!」

「首元にキスマークが付いてるわよ。それに綺麗になったもの」


客間に着いてキロナと対面同士で長椅子に座るけどキスマークがまだ薄くならなくて分からないように首元隠れる服にしたのに…友人にバレるなんて恥ずかしい…!!


「ジュンさんとロゼリアならお似合いだわ」

「ありがとう、キロナ」


キロナはそう言って紅茶を飲むから私も飲む。


「結婚式は一緒にしようね!W結婚式よ!」

「私達は当分、結婚はしないよ?」

「いいのよ!私達も当分は結婚しないから」


ハーベルさんはすぐにでも結婚したいと考えてると思うけどキロナが乗り気じゃない感じがする。


「…赤ちゃんの話しはしたの?」

「うん。女の子も男の子も可愛いからたくさん作ろうって言われてる…」


顔を隠しながらキロナに伝えると微笑ましく笑ってる。


「喜んでるジュンさんの顔が目に浮かぶわ…」

「そういうキロナこそ子供はどうなの?」

「私の所?うー…ん、二人かな」


キロナの所は二人か…うん?ジュンさんはたくさんって言ったけど何人?と悶絶してるとセントさんが顔を出した。


「いらっしゃい、ロゼリアちゃん」

「セントさん、お邪魔してます」


セントさんは、一人掛けの椅子に座って話しに入り込む。


「ジュンと一緒じゃないの?」

「ジュンさんは仕事があるので家に帰ってます」


セントさんにそう言うと驚いた顔をしたけども何処かおかしかったのかしら?


「あのジュンが婚約者を優先にした?泣く泣く手放したな」

「泣く泣く?ジュンさんは気が向いたら来るって言いましたから私が会いに行くって言ったんですよ!」


そう言ったらセントさんが笑って私の頭を撫でる。


「ジュンにはその言い返しが正解だよ。会いに行ってやって」

「お仕事の邪魔じゃないですか?」

「邪魔じゃないよ。寧ろ尻尾ブンブン振って喜ぶね」


セントさんにそう言われて明日か明後日ジュンさんに会いに行こうと考えた。


「お兄様はいつまでも居座るのですか?」

「おっと、そろそろ出かけるよ。またねー

ロゼリアちゃん」

「はい、お気をつけて」


セントさんは立ち上がって居間から出て行ったと思ったらヒョコっと顔を再び出してキロナに伝える。


「ロゼリアちゃんが持った来たお土産を俺も食べるから残しておいてねー」

「はいはい。残しておきますわ」


それを聞いたセントさんは鼻歌をしながら出て行き入れ違いに私のお土産が一人用に切られて

私達の元に来た。


「わぁ!ここのロールケーキ好きな所じゃん!お兄様…盗み見したのね」

「喜んでくれて良かった。別の所にしようと思ったんだけどもいつもの所にしちゃった」


キロナと食前の挨拶をしてフォークで切り口に運ぶと生クリームの丁度いい甘さが口に広がりスポンジはフワフワで美味しい。


「そう言えばセントさん、忙しそうだったね」


そう言うとキロナは、ロールケーキを一口に切ったと思ったらぶっ刺して口に運び食べ終わると不満そうにぶつけた。


「忙しそうじゃないわ。“遊び”に忙しいお兄様もジュンさんを見習って早く婚約者を見つければいいのに!」

「遊びに忙しいって言い過ぎじゃないかしら?」

「毎夜、遊びに行くんだから遊び人よ!」


セントさん、ジュンさんが居なくて寂しいのかもしれない。


「お兄様の話しをしてると怒りが込み上げてくるからはいっ!終わり!次はロゼリアの話しが終わってないわ」

「もう聞きたい事なくない??」

「あるわよっ!ジュンさんとどんなエッチをしているとかね!」

「それ、言う必要あるのー?」

「私も教えるから教えなさい、ロゼリア」


それからキロナに根掘り葉掘り聞かれて恥ずかしがりながら答えたのは言うまでもないし、彼女の性事情も知れて私はグッタリ。


「はあっー…スッキリしたわ!」


キロナからは恥ずかしい体位を教えてもらって力尽きた。


「女も積極的に行かなきゃダメよ〜」


出来るのか?私…?

ジュンさんに喜んでもらえるように頑張る?


「キロナ、お披露目パレードの時に来てくれてありがとう」

「ロゼリアのお世話係の制服が見れて嬉しかったし、行けて良かったわ〜」


ちゃんとお礼を言ってなかったから言えて良かった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る