第37話・寂しいけど頑張るからねー!
まだ見ぬ産まれてくる子供の事、公爵夫人の事を総合的に判断すれば
「婚約の話なら言ってくだされば良かったのに」
「言ったら驚きが半減するだろ?」
ジュンさんに「ウチの庭園も見てもらおう」とお母様の提案で案内しながら会話をしてる。
「そう言えば朝、聞き忘れてしまったんですけど、セントさんとフランワさんはー」
二人の事を聞こうとしたらヒョイっと持ち上げられてテーブルの上に座る私。
「ジュ、ジュンさん!ここテーブル!座る所じゃないー」
言葉を遮るように唇を塞がれ甘いキスが私を蕩けさせる。
「今は俺とお前の二人きりでその口から他の名前が出てくるなんて許せねーな」
「気になったから聞いただけですよ?」
彼の首に手を回してジュンさんに自らキスをすると一瞬驚いた顔をしたけどまたキスを返してくれた。
「…子供はハーフなんですね。ジュンさんに似た子供がいいな」
「女の子も男の子も可愛いと思うからたくさん作くろうか」
「はい、ジュンさん」
そう言って私のお腹を撫でて身体が反応する。
「ひゃあ!ジュンさんっ」
「今、注いで孕んでもいいよな。お前を俺の腕の中で囲える」
子供は欲しいと思うけどまだ仕事が中途半端で嫌だからちゃんと一人前になってからがいい。
「今はジュンさんを独り占めしたいからダメです」
「……煽ってるだろ?」
そう言ってとびっきり甘いキスをしてくれて背中に手を回すとジュンさんも抱きしめてくれて幸せな気分になる。
「ジュンさん、私と婚約してくれてありがとうございます」
「婚約だけだ。結婚してねーから俺は言わねーよ」
恥ずかしがってるジュンさんを見れるのはレアだ!と思って彼の頬にキスをした。
「頬じゃ物足りねーよ」
「ふふっ。困った婚約者さんですね」
もう一度私達は庭園でキスを交わす。
その後は、皆で昼食を囲み和気あいあいしながら食べてジュンさんは領地にいるご両親の代わりに仕事もしてるので「帰る」と言ったので皆でお見送りする。
「ジュンさん、お気をつけて下さい」
「ジュンさん!気をつけて下さいね!」
「はい、ありがとうございます。お義父様もお義母様も体調には気をつけて下さい」
「ジュンさん」
「ロゼリアさん、仕事が終わり次第、気が向いたら会いに来ますよ」
「気が向いたらって…!なら私が会いに行きます!」
ずっとジュンさんといたから離れがたく寂しい気持ちは私だけなんだと思った。
〈待ってるぞ、ロゼリア?〉
「!!」
耳元で囁かれてドキッとして高鳴り、彼は手を振り馬車に乗り込み扉が閉まり発車して行ったら、ラッカに声をかけられた。
「お嬢様この後どうされますか?」
「次期公爵夫人として恥じないように知識を身につけるわ!もちろん、お世話係も手を抜かないから!」
見てて、ジュンさん!
離れて寂しいなんて思ってもいられないくらい勉強してみせるんだから!と心は燃える。
「では、いつもの所にご用意しておきます」
「ありがとう、ラッカ」
いつものガボゼで手には取らないようなマナー本を読み始めて奥深さにページがサクサク進む。
「お嬢様、お手紙です」
「手紙?ありがとう」
ラッカから手紙を受け取り後ろを見たら王宮からで開封したら宛名は大司教様からで、休みがあと七日という連絡と元気にしてますか?という内容だった。
「長期休暇って言うか短期休暇って感じがするけども…でももう七日なのね…。休みをもらって色々あり過ぎて…」
初日には、ジュンさんと結ばれて何回も抱かれてその後も抱かれたけど喜びに包まれて今日は、ジュンさんと婚約した日で…。
「会いたいな…ジュンさんに」
別れて数時間しか経ってないのにもう会いたいなんてずっと傍にいたから隣に居ないのが違和感アリでさっきまでこのガボゼがある庭園でキスをたくさんして…と考えていたら恥ずかしくなってきた。
「お嬢様、遅くなりましたけどご婚約おめでとうございます」
「…ありがとう、ラッカ」
顔が熱くなりパタパタと手で仰いで、まだまだ実感は湧かないけどジュンさんと婚約したのは夢を見ていて明日には覚めるんじゃないかって怖くなる。
「現実だよね?ジュンさんと婚約したよね?」
「えぇ、してましたよ」
これからジュンさんを一番に支えられて傍に居れて私の身も心も彼のモノ。
「ジュンさんに胸張って会えるように頑張んなくちゃ!」
意気込んでマナーの本を読み始めるけど難しい部分もあって考える部分もあるけど頭の中で組み替えていく。
「お嬢様、お茶菓子ですよ」
「…うん。ありがとう」
ラッカの言葉を聞いているのか聞いてないのか分からないまま返事をするとラッカが微笑んでいたのを気づかずに本を読み進めるけど途中で止まる。
「うー…ん、難しいー」
「お嬢様、休憩も大事ですよ」
そうよね!休憩も大事だし、目の前に美味しそうなお茶菓子が置いてあるから糖分補給しまーす。
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