第34話・フランワさん、再び来訪

「このまま進む?止めて本を再開する?」


究極の二択に答えてる暇もなくジュンさんの指がカリカリと敏感な所を引っ掻いてムズムズして息があがり、彼が欲しくなり押さえていた指を自由にさせる事にしたら躊躇なく指が私の中に入り込む。


「んっ…あっ…」

「もうヌルヌルして俺の指を美味しそうに吸い付いてる」

「んんっ…恥ずかしいから…そんな事…言わないで」


ジュンさんの指をもっと奥まで感じたくて自分から足をもっと広げると彼の指がもっと深く入り込み切なくなる。


「ジュン…さんっ」

「ちゃんと言葉で言わねーとしない」


言葉で伝えるなんて恥ずかし過ぎて言えない私に上下に動いていた彼の指の動きが止まってムズムズする。


「言わねーとこの先進まねーよ」

「〜〜っ」


ジュンさんの服を掴んで恥ずかしくても彼が欲しくて言おうとして彼の顔がまたゆっくり近付く。


「ロゼリア、言ってみ?」

「ジュンさんがー」

「ジュンー!!暇だから来ちゃったわ」


バーンと扉が勢いよく開いてスカートが捲れて彼の指が私の中に入り込んでいる姿をフランワさんに見られて悲鳴をあげる。


「きゃあ!!」


すぐにジュンさんの指が抜かれて私は慌ててスカートを戻すけどフランワさんは何事もなかったように部屋に入ってきて対面に足を組んで座る。


「ジュンったら鍵閉めなきゃダメよ?人に見られて興奮するタイプだったのかしら?」

「フランワさん、何用ですか?」


ジュンさんも何事もなく指をハンカチで拭っていてフランワさんに普通に対応していて恥ずかしくて彼女の顔を見れないのは私だけなの?


「ジュン、私は今日ね、暇だからジュンの家に泊まるわ」

「!!」

「お断りします。貴女を泊める理由がありません」


ジュンさんがそう言ったのにフランワさんは両耳を塞いでいて話が進まなくて困っていたらいつの間にかセントさんが扉に寄りかかっていた。


「俺の昼寝を邪魔したのはフランワ?」

「あらっ、セント。貴方もいたの?」


フランワさんとセントさんも顔見知りのようだった。


「ジュン、コイツに何を言っても聞かねぇんだから泊まらせてやれば?」

「責任は誰が取るんだ?」

「フランワは、俺の部屋で一緒に寝る」

「別に良いわよ、セント」


三人の会話を口出さずに聞いていたけどフランワさん即答したし好きでも無い男の人と寝ないもんじゃないの?


「カールト」

「はい、ジュンさま」


ジュンさんは立ち上がってカールトさんの傍に行き食事を四人分と話していてそれ以外にも話していたのを見ていたらフランワさんが私に話しかける。


「ロゼリアさん、庭園に行きましょう」

「えっ?」


そう言って立ち上がり私の傍に来て腕を引っ張り無理矢理部屋から出る形になった。


「フランワ!ロゼリアを何処に連れて行く!」

「心配しないで〜。庭園よ」


階段を駆け降りて外に向かうのだけどフランワさんに握られてる腕が痛い。


「フランワさん!痛いですっ」

「痛いなんて大袈裟すぎよ〜。強く握ってないもの」


フランワさんは庭園に着いたら腕を離してくれたけど少しだけ赤くなっていた。


「ほらっ、庭園に着いたわよ」

「……っ」

「あらっ、本当に痛かったのー?ごめんなさいね、ふふっ」


どうして私を庭園に連れて来たのか分からないけど二人きりになるのはあの以来だと思った。


「ねぇ、ロゼリアさん。私とジュンの関係を知ってる?」

「関係ですか?」

「そうよ…私とジュンの関係よ」


二人を見ていて同い年だと言うのは分かったし、元恋人同士かな?って思うけど…それ以上なの?と不安に思っていたらフランワさんが答えてくれた。


「ジュンとは元婚約者同士なのよ」

「ジュンさんとフランワさんは元婚約者同士?」


衝撃的な言葉にグラッとふらつきそうになった。


「ジュンとはね、ここで何回もエッチしたし、ここで愛の告白もしてくれたのよ」


フランワさんが恥ずかしがりながら庭園に咲いてる綺麗な花を嗅ぐけど彼女の言葉が耳にリピートされてドクンドクン早鐘してる。


「間違ってる情報を勝手に喋らないでください」

「……!ジュン」

「…ジュン…さん」


ジュンさんが冷たい口調で言いながら歩いてきてその後ろにセントさんも来た。


「フランワ、捏造はダメだよ〜」

「セントとジュンが来ちゃったらダメじゃん。ロゼリアさんをもっと絶望に落としたかったのに…残念だわ」


フランワさん…私に何を言うつもりだったのか怖くなって足がちゃんと地面を踏んでるか分からなくなる。


「フランワはくだらない事しか言いませんね。ロゼリア、この女の事は一切信じなくていいですからね」


庭園はとても素敵なのに嫌な思い出しか覚えないのは寂しいなって思った。


「フランワ。お前と話したい事があるから行くぞ」

「なら、ジュンもー」


ジュンさんは、フランワさんを避けてセントさんに家に連れて行かれた。


「ロゼリア。アイツの事は本当に信じなくて良いからな」

「…うん」


でも、ジュンさん…フランワさんと元婚約者同士だったのは本当だよね…?と不安に思っていた。

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