第33話・いつの間にか隣に…

セントさんは、ジュンさんと会う事も久しぶりらしくいつものように家に泊まる事になって二人で積もる話もあるはずだからその間に本を読んでいいかジュンさんに聞いてみた。


「ジュンさん、ジュンさんの部屋で本を読んできてもいいですか?!」

「良いよ」


ジュンさんに許可をもらって立ち上がって、二人に挨拶する。


「お二人ともごゆっくりしてくださいね」

「ロゼリアちゃん、後でね〜」


二人きりにしてあげて私はジュンさんの部屋にあった本を早く見てみたくてウズウズしてルンルンで向かっていたらラッカに心配される。


「お嬢様、お身体は大丈夫ですか?」

「えっ…あっ…」


身体はギチギチしてお股に棒が挟まってる感覚で違和感アリだけどこれはジュンさんと結ばれたあかしなんだなぁと感じながら歩く。


「今はとりあえず大丈夫。本を読んでリラックスするから」

「無理しないで下さいね、お嬢様」

「ありがとう、ラッカ」


ジュンさんの部屋に着いてドキドキしながら扉を開けると本がやっぱり綺麗に整理整頓されていてジュンさんの匂いにも包まれる。


「ジュンさんと誰にも邪魔されずに二人でいたんだよね…」


思い出して顔が熱くなり違う事を考えようと周りを見渡して本が視界に映る。


「…本を読みましょう!私は、本を読みに来たんだからっ!何、見ようかしら…。これも良いけどこれも良いな」


綺麗に並んでる本を隅から隅までズラッと目を通して悩んで選別していきちょうど隣同士に並んでいた本二冊をそれぞれの手で持ちながら考えていて右で持ってる本にして左に持ってる本を戻し長椅子に座る。


「懐かしいな…やっぱり」


パラッと表紙をめくるとあの頃に読んでいた自分に戻る気がする。


「お嬢様、何を読むのですか?」

「“あの頃を抱きしめて”って言う物語よ」


ラッカがお茶を用意して私に差し出してくれる。


「切ないんだけど最後がハッピーになる物語なの」

「そうなんですか」


そう言って本を読み始めていき、話の内容を知っているせいか読むスピードが早くなりいつの間にか本の半分以上まで読んでいた事に気が付いて少し休憩したくてどこまで読んだかページ数を確認して本を閉じて膝上に置いて背筋を伸ばす。


「んっー…」


背筋を伸ばして今度は上半身を左右に動かしていたら誰かにぶつかって慌てて謝った。


「ごめんなさい!隣に人がいるとは知らずに運動をしちゃいました…」


慌てて謝ったけど読み始めた時は隣に人がいなかったはずと思って見たらジュンさんがいつの間にかいて隣で本を読んでいた。


「凄い熱中していたな」

「ジュンさん!!いつの間に隣に…?セントさんとはもういいのですか?」


膝上に置いてあった本をテーブルに置いてジュンさんに疑問を投げかける。


「質問が多いな。仕方ないから答えてやるよ」


ジュンさんも本を閉じてテーブルに置き私を見る。


「ロゼリアが本に熱中してる時に隣に座った。セントとは、有意義な話が出来たけど途中でアイツが暇になったから昼寝すると言って泊まる部屋に寝に行った」

「そ、そうですか…」


視線を逸らさずに伝えるジュンさんにドキドキしながら私も真っ直ぐに見つめ返事を返すとニッコリ笑うジュンさん。


「ロゼリア、続きを読もうぜ」

「…はいっ」


真っ直ぐにジュンさんが私を見つめて私がジュンさん見つめ返したんだからキ、キスをすると期待しちゃった私の気持ちを返して欲しいと思いながらテーブルにあった本を手に取ろうとして名前を呼ばれ彼の方を向いた。


「ロゼリア」

「何ですか?ジュンさー!!」


また目を開けたまま急にキスをしてきたジュンさん。


「んんっ!?」

「ちゃんと応えられたな」

「……ジュンさんっ!?な、何で急にっ?!」

「キスして欲しそうだったから」


自分の気持ちを見破られてる事に恥ずかしくなったのもあるけど同時にラッカに一部始終を見られてる事にも恥ずかしくなった。


「ラッカに見られたら恥ずかしいから不意打ちなキスはダメです…」

「ラッカならとっくにいねーよ」

「それでも不意打ちはダメです…」


テーブルに置いてあった本を素早く持ちでこれ以上、ジュンさんが唇にキスをしないようにガードする。


「キスをしなければ良いんだな?」

「えっ?」


ジュンさんの手が優しく私の耳に肩に触れたと思ったら手をそのまま離さずに腰を撫でて優しく触るから時々ピクッと体が反応する。


「ジュンさ…ん、触り方が…んんっ…」

「普通に触ってる」


ジュンさんの手が私の足をスカートの上から触れたと思ったら捲るから慌てて本をテーブルに置いて手を阻止する。


「ジュンさんっ!まっ、待って!」

「何だよ、ロゼリア」


阻止してるのに私の力では彼の力に叶わずに涼しい顔してジュンさんの手が捲られたスカートに隠れていた私の敏感な所に彼の指があたる。


「ひゃあ…!」

「なにかあたったのか?」


ジュンさんの指がショーツの中に入り込む。


「あっ…!ジュンさんっ」

「このまま進む?止めて本を再開する?」


また…二択ってジュンさんの意地悪ー!!

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