第32話・久しぶりの対面でした
「お嬢様、これで見えませんよ」
「ありがとう、ラッカ」
キスマークが首元までしっかり首元まで付いていてラッカに言われるまで気付かずに隠れる服を着てラッカと共に客間に向かう。
「危うく皆に見せびらかす所だったわ…」
「そうですね、お嬢様」
ジュンさんが私の為に洋服を何着も事前に用意してくれていた事を使用人の人達が教えてくれてビックリしたけど今、着ている洋服だって私の好みの可愛い洋服に嬉しくなる。
コンコン
扉をノックすると部屋から声が聞こえてきて扉を開けるとジュンさんとフランワさんが対面に座っていて私が部屋に入ると彼が声をかける。
「ロゼリア、
「…はい」
「ジュンったらお子ちゃまロゼリアさんに優しいのね…」
フランワさんの言葉は前々から刺々しかった気がするけど今日はさらにパワーアップして刺々しいけども気にしない事にしてジュンさんの隣に座って使用人が私にお茶を注いで淹れてくれるからお茶をいただく。
「ありがとう」
私の言葉が終わってからジュンさんはフランワさんに尋ねる。
「フランワ嬢は、
「あらっ、ジュンが寂しがってるかと思ったから来たのよ?」
「残念ながら帰ってからも忙しかったですね」
ジュンさんの家にお邪魔してから私の今までの記憶は彼にずっと抱かれていた記憶しかないんだけども…。
「……っ」
それを爽やかに笑って忙しかったなんて…私ならそんな風に言えないから彼をチラッと見たらバチッと目があって慌ててそらした。
「ジュン、休みの間は私は遊びに行ってるかもしれないけど貴方が私を呼んでくれるなら会うわ」
「僕は貴女を呼んでる暇はないのでお断りします」
「もぉ!ジュンのバカっ!」
フランワさんの誘いをバッサリと切り彼女は立ち上がって部屋から出て行った。
「ジュンさん!フランワさんにあんな言い方しなくても…」
「なら俺があの女二人きりで会ってもいいと?」
フランワさんとジュンさんが私のいない所で二人きりで会うと考えると胸がチクッとする。
「嫌ですっ!お仕事以外では会わないで」
「なら言うなよ」
ジュンさんの顔が近づいて来たから目をつぶりキスをしようとしたら扉がノック無しに開く。
「ジュン。帰って来てんだろ?」
「……っ!!」
「ノック無しに開くなよ」
慌ててジュンさんから離れて他人にキスをする所を見られるなんて…二人きりだから気が抜けてたと思い、入って来た人とジュンさんに顔をそむけて座る。
「…ちゃん?ロゼリアちゃん?」
「えっ?」
名前を呼ばれて知ってる声に向いたら見知ってる顔がそこにありビックリした。
「セントさん!お久しぶりですね」
「久しぶりだねー!ロゼリアちゃん」
「…二人とも知り合いなのか?」
ジュンさんが私とセントさんを交互に見てビックリしていたから説明する。
「はい。私の友人であるキロナ嬢のお兄さんで勉強も教えてもらった事もあるんですよ。まさかセントさんがジュンさんと知り合いなんて知りませんでした」
「俺もジュンとロゼリアちゃんが知り合いなんて知らなかったよ」
セントさんに久しぶりに会って話しに花が咲く。
「キロナとお披露目パレード観に来てくれたのはセントさんですよね?」
「キロナに無理矢理引っ張られてねー。でもやっぱりロゼリアちゃんだったのかー。似てるなー…とは思ったんだけどまさか本人だとは思わなかったよ」
「本人ですよ?」
セントさんも私も笑って言ってジュンさんは黙って聞いてる。
「ジュンが聖人って分かったから手を振ろうかと思ったよ」
「やめろ」
ジュンさんが口を開きセントさんは笑って言葉を続ける。
「ジュンが聖人でロゼリアちゃんがお世話係になったって事?」
「はい。そこで、初めてジュンさんに会いました」
ジュンさんを初めて見た時からきっと“好き”だったんだと思うけどその時は憧れの聖人様ってしか思わなかったんだよね〜と浸っていた。
「で、ジュンは無事にロゼリアちゃんと結ばれたんだな?」
「!!」
セントさんは、ジュンさんと私を交互に見てニヤニヤしていて急に何を言ってるのかしらっ…?とアタフタしていたらジュンさんが私を抱き寄せた。
「!!」
「そういう事なので、“ちゃん付け”はやめろ。分かってるなら“さん付け”にしろ」
「あっー…気付かなかったわ。無理だね」
ジュンさんとセントさんの二人を見てると凄く仲良く見える。
「お二人は幼い頃から一緒だったんですか?」
「そうだよ。ジュンとは幼少期からの幼馴染で、キロナも入れて三人で遊んだ事もあるんだよ」
だからこんなに素のジュンさんが見れるんだと思って私にはまだ、ジュンさんに見えない壁があり少しだけ…ううん凄く寂しいと思っていたらセントさんが私に言葉をかける。
「ジュン自身がロゼリアちゃんを選んだんだから自信持って大丈夫だよ」
「セントさん…?」
セントさんの言ってる事は今は分からなかったけど後になって分かるとはこの時は思ってもみなかった。
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