第28話・初めてジュンの家に訪問
「お帰りなさいませ、聖人様。ロゼリア嬢」
「ただいま戻りました」
「お帰りなさいませぇ、聖人様」
少しだけ時間オーバーをしてしまったけど無事に王宮に戻ってこれたけど大司教様達とフランワさんを待たせちゃったけどもね…。
「聖人様。今日の視察もご立派でした。治癒術も安定していてご立派です」
「ありがとうございます」
「聖人様、明日から長期休暇に入ってもらいます」
「はい」
歩きながら大司教様が聖人様に言ってるけど無表情。
「聖人様と同じくロゼリア嬢、フランワ嬢も長期休暇に入ってもらいます」
「はい!」
フランワさんも無表情で返事する事なく黙っているけど私は嬉しくって返事をしちゃった。
だって久しぶりにラッカに会いたいし、ゆっくり読書したいし…楽しみ〜とウキウキしていた。
「聖人様、休み明けに術を確認します。ごゆっくり休んで下さい」
「フランワさん、書類がどこまで進んでる確認します」
「はーい。確認して下さい」
聖人様とフランワさんは書類部屋に向かい私は
聖人様の術が長期休暇後に倍増してるといいな〜と他人事で自分の部屋に戻って来てウキウキで鞄に荷物を詰めてワクワクでお風呂に入ってドキドキで布団に入りその日はよく眠れた……。
「聖人様、おはようございます…?」
「おはようございます。ロゼリアさん」
朝食を食べ終えて洋服に着替えてウキワクドキ(略)で乗り合いの馬車で家に帰ろうとしていて王宮を出て門前で偶然に聖人様に会った。
「聖人様、休み明けまで元気でいてくださいね!何日かしたら聖人様のお家にお邪魔させていただきます」
私は用事がたっくさんあるのでこれで失礼しまーすって顔をしたら大きなため息をつかれて腕を掴まれた。
「えっ?聖人様っ!?」
「…忘れてしまったんですか?」
聖人様の家紋が付いた馬車に無理矢理乗せられ扉が閉まり馬車は動き出す。
「聖人様!!私、家に帰り…」
「俺の家に行くって忘れてる?」
「忘れてないですけど初日だと思わなかったです…」
数日経ってからジュンさんの家にお邪魔するものだと思っていたので私の心の準備が出来てない。
「初日からに決まってるだろ。ロゼリアの家には手紙は送ってある」
「いつの間に!よく私の家の住所が分かりましたね!」
「調べた」
そこまで手配してるなんて…後は私の心の準備だけ?とドキドキが止まらない。
「ジュンさん…お父様がよく許可出しましたね」
「んっ?」
一人娘の私を知らない男性では無いけどよく許可したなって思っていたらジュンさんが窓の流れる風景を見ながら伝える。
「聖人と侯爵に逆らえる理由ねぇだろ」
「ジュンさん…侯爵だったんですか?!」
初めて知ってビックリした。
「侯爵だけど聖人になったから繰り上げされて
「……嘘っ」
公爵なんて…王族に続き伯爵なんてすぐに潰されちゃうじゃん…だからお父様はすぐに許可を出したのね…と思った。
「そんな事よりロゼリアに見せたい本がたくさんあるんだ」
「本当ですか?楽しみです」
着いて早々、ジュンさんに抱きしめられるなんて私ったらなんて恥ずかしい想像をしてるのかしら…!!と悶絶していたけど彼はそんな姿を見ていて笑っていた。
「ようこそ、コリカサン公爵家に」
とてもとても大きいお家に圧倒され自分の家が丸ごと入ってもまだ空白があるってくらい大きなお家で私の手足が一緒に出てしまう。
「ジュンさま、お帰りなさいませ。お帰りをお待ちしておりました」
「カールト、ただいま」
玄関にて、執事に出迎えられて私の家とは格が違うから後退りしちゃう。
「ジュンさま、こちらのお嬢様は?」
「ロゼリア嬢だよ。ロゼリア」
白髪の男性に気付かれて見られてドキンッとして緊張しつつ彼に名前を呼ばれて淑女らしく歩いてジュンさんの隣に立つけど手汗は酷いけどね。
「ロゼリア、紹介するよ、執事のカールトだ。分からない事は彼に聞くといいよ」
「初めまして、ロゼリア=ウダンと申します。よろしくお願いします」
「ロゼリアさま。こちらこそよろしくお願いします。分からない事は遠慮なく聞いて下さい」
ジュンさんの大切な方を紹介してもらって嬉しいと思っていたら急に腰に手を回されてビックリして声が出なかった。
「俺がいいと言うまで部屋に近付くな」
「はい、ジュンさま」
ジュンさんはカールトさんにそう言って私達は無言で歩き出し私の心臓はドキンドキンと高鳴っていてジュンさんの顔が見れないっ…。
「ここだよ。入って」
「はいっ?!」
ジュンさんに言葉を投げかけられて声が裏返ったら笑われた。
「ハハッ、何を想像してるんだ?」
「別に想像してませんよっ!」
ガチャッと扉が開き部屋に入ると本がズラッと並んでおり綺麗に整理整頓されていて
「わあっ!ジュンさん!!素敵なお部屋ですね!」
「ロゼリアの見た事ない本もあるかもよ?」
そう言われてウズウズする。早く本に触れたいっ!!気持ちを抑えてジュンさんの腕の中でウズウズしていた。
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