第20話・護るために…〜ジュン目線〜

三日間は本当に拷問を、受けてるかのように思った。


「理由が分かったからいいけど…」


一日目は気のせいだと思う事にして二日目、三日目の朝は、俺をロゼリアは起こしに来なくてフランワが来て気分は下がる。

ロゼリアの名前を呼ぼうとすると避けるから気のせいではないと確信が生まれ夜にアイツの部屋に行こうとしたけど二日目も三日目も忙しくて爆睡。アイツから避けられていて我慢の限界だったのもあり部屋に突入したら、フランワとの廊下の会話を聞いていたらしくその話をしようとしてうやむやになっている。


「俺に対して好きがただ漏れていたんだよ」


その前から俺に好意を寄せてる感覚はあったけどあえて言わず、ロゼリアは俺に告白したけど俺は返事をしてない。


「聖人様!こんな所でどうしたのですか?」

「ロゼリアさんを待っていたんですよ」


廊下でロゼリアが来るのを待っていた。

部屋にはアイツがいて心地悪いし、二人きりなんてゴメンだ!


「また寝てるんではないかと思いまして」

「寝てません…ってまだ覚えてるんですか!」


素直で純粋なコイツといて心地良くて誰にも心を許さずに生きていこうと思ったのに覆させられた。


「覚えますよ。貴女の事ならね」

「えっ…それって…」


俺の言葉にドキッとしたのか主食を持って立ち止まるから振り向いて笑って答える。


「ロゼリアさんが面白いからです」


肩がガクッと下がってショボンとする姿にもっとイジメたくなる気持ちがウズウズ湧くけどこの続きは今夜かなと思いながら部屋に向かう。


「ロゼリア」

「!!」


名前を呼び捨てで呼ばれた顔がビックリしていてこの顔もそそられるんだよなー…って思いながら耳元で囁く。


「今夜、俺の部屋に来い」

「!!」


そう言って離れて扉を開けて俺もロゼリアも部屋に入りロゼリアを見たら顔が真っ赤になっていた。


「フランワさん、食べてなかったんですか?」

「えぇ。聖人様を待っていましたわ」


いかにも私は優等生でしょ?感が出ていて友人として紹介された時から好きになれず婚約者に充てがわれた時も趣味も交流も合わなく白い結婚になるだろうと思っていた。


「高嶺の花と呼ばれてるフランワとはどうよ」

「…どうも無いね」


俺の長年の男友達であるセント=イーストウェルと二人きりで呑みながらフランワの会話になった。


「…“お友達”と会うのが忙しいらしいよ」

「へぇー…“お友達”ねぇー…」


友人の時からも婚約した後も誘われたけどあの肌に触りたくなくて俺のモノ機能しねぇ?と不安に思ったけど抱かずに破棄出来たから良かった。


「…ジュンさん、どうかしましたか?」


俺は自分の部屋のベットの上で仰向けに寝転がっていてロゼリアは、俺の胸の上にいて起き上がろうとするから抱きしめて阻止する。


「いいからこのままでいて俺を癒やせよ」

「…はい…」


ロゼリアの体温が俺を癒やしてくれるから心地良くて眠くなりながらも俺はロゼリアとエッチな事をした時に俺のモノは勃ったから身体は正直だなって感じた。


「ロゼリア…お前を抱き…」

「ジュンさん…?」


瞼が重くなって眠気には勝てずに眠ってしまいロゼリアが俺を呼んで起き上がり眠った姿を見て優しく微笑んだ事を知らない。


「今日は一日会議でしたもんね。お疲れ様でした」


俺に布団をかけて静かに部屋を出て行った事も知らなくロゼリアの匂いに包まれながら心地良い夢に誘われて深い眠りについた。


「……んっ…?」


カーテンから漏れる光に眩しくロゼリアの匂いがして彼女も寝落ちしたんだなって頭を撫でようとして手を伸ばしても気配を感じなくて彼女の匂いに混じって嫌な匂いが鼻に付き彼女じゃない気配を感じて目を開けて慌てて起き上がった。


「おはよう、ジュン。素敵な夜だったわ」

「なんで俺のベットで…ここにいるんだ!!」

「んっー…もうぉ。大きい声出したら気付かれちゃうよ?ジュン…」


裸同然のフランワが横に寝ていた事に嫌悪感が湧く。


「ジュンさん?どうしたんですー」


ロゼリアがノックも無しで扉を開けて入って来てベット上にいて寝っ転がっている裸同然のフランワと俺の姿を見て固まってる。


「えっ?ジュ…ンさん…?」

「お子ちゃまには刺激が強すぎかしらね」

「黙れ、フランワ」


ベットから下りてロゼリアに近付こうとしたら涙をためていて抱きしめようと手を伸ばすと俺の手を振り払う。


「……っ、邪魔して…ごめんなさ…い」


無理矢理笑って涙を流して走って部屋から出て行った。


「さすが、お子ちゃまね。騙されるなんて」


クスクスと笑うフランワの近くに寄り布団を被せる。


「見苦しい物を見せないでいただけますか?」

「見苦しいって失礼だわ!綺麗って言うのよ」


床にコイツの下着が落ちていて吐き気がする。


「早く着て部屋から出て行って下さいね」

「本当にエッチしちゃう?」

「お断りします」

「もぉ!ジュンのバカ」


俺の隙を見せた為にロゼリアが傷ついた。

フランワは何処までも俺の邪魔をするならロゼリアを護るために使わせてもらうか。


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