第17話・あれっ?夢だったの?
あっー…温かくって逃がしたくないし、ずっとこのままでいてほしい…と
「いつまで寝てるんですか?」
「……?」
頭の上から声が聞こえて上を見上げうっすらと目を開けたら黄色の耳がピョコと動いて可愛くて両手を伸ばす。
「ふふっ…可愛い〜」
「ちょっ…ロゼ…」
モフモフして肌触り抜群で綺麗で可愛くて。
「…いつまで寝惚けて俺の耳を触ってるんだよ」
「……?」
また聞き覚えのある声が降ってきたからちゃんと目を開けて見るとジュンさんの顔が映り私の両手は彼の耳をサワサワと触ってる。
「…可愛い両耳ですよねー…」
寝ぼけていたとはいえ、彼の両耳を触ってしまってマズイと思い両手をゆっーくりと両耳から離して引っ込めようとしたら両手を掴まえられた。
「!!」
「耳を無許可で触ったんですから俺も触らせてもらう」
「えっ!?」
ジュンさんの顔が近付いて私の耳に彼の息がかかりくすぐったくって体がよじり彼の尻尾も私の足に絡みつくから二度くすぐったい。
「ジュン…さんっ!くすぐったい」
「俺もくすぐったかったですよ?」
ジュンさんは私の耳をカプッと軽く噛む。
「ひゃあっ!」
「なんですか?ロゼリア」
噛みながら耳元で囁くから体が反応してキュンキュンしちゃう。
「感じちゃったんですか?」
「違い…ます…」
朝から色気ムンムンの低い声で耳を噛みながら囁かれたらくすぐったいけど違う扉も開きそうで怖いな。
「そうですか。では、起きましょうか」
「えっ?」
すんなりと私から離れるジュンさんは何事もなくベットから降りて立ち上がる。
「ジュ、ジュンさん…?!」
「なんですか?ロゼリアさん」
慌てて起き上がって彼の名前を呼び本当はもっとイチャイチャしたいのと、廊下でのフランワさんとの会話の件を聞きたいなんて口から言えずに誤魔化して笑う。
「なんでもないです…」
「そうですか。では、着替えたら僕の着替えも手伝って下さいね」
「はい…」
ジュンさんは私に伝えて部屋から出て行った。
「……?」
私、昨日ジュンさんに告白したよね?夢?と考えながらベットを降りて寝間着を脱いで制服に着替えて部屋を出て聖人様の部屋に向かいノックして部屋に入る。
「聖人様、おはようございます」
「おはようございます、ロゼリアさん」
さっき私とじゃれていた姿とはうって変わっていつもの聖人様でキラキラが増してるから拝みたくなっちゃうけど今は二人きりだから彼の名前をたくさん呼べちゃう事に嬉しくなる。
「ジュンさん、制服に…」
ジュンさんは椅子に座っており真剣に本を読んでいるから読書好きな私としては何を読んでるのか気になって覗き驚いた。
「ジュンさん!この本、図書館なら持ち出し禁止なのにどうして持ってるんですか?」
「この本の存在を知ってるのか?」
ジュンさんが少し驚いた声を出して本を閉じる。
「はい、趣味は図書館通いで読書です。今は図書館の持ち出し禁止の本を全制覇読む事が夢です」
「俺の家に本がたくさんあるから長い休みの時に招待してやるよ」
「本当ですかっ!?嬉しいです!」
ジュンさんの家にお邪魔してどのくらいの本があるんだろうと考えるだけで嬉しくなりさらに彼から嬉しい事を言われて顔を見て抱きしめそうになったけどグッと堪えた。
「ロゼリア、着替えを手伝え」
「は、はいっ」
ジュンさんが椅子から立ち上がって寝間着を脱ぐと逞しい上半身がまた視界に飛び込んできて視線を逸らしながら服を着させる。
「まだ、慣れねぇのか?」
「…そう簡単に慣れませんよっ!」
慣れそうにないし、ジュンさんに告白したのは夢だったかも知れないしと少し落ち込みそうになったのに無意識に自分の手が彼の上半身に触れようとしていた。
「ロゼリア。そんなに俺の裸に触りたいのか?」
「ち、違います!風邪引きますよね!!」
慌てて上の服のボタンを留めて何を思ったのか聖人様の下のズボンも脱がして視線がジュンさんのパンツを見て後ろに下がった。
「!!」
「くくっ…慌てすぎだよ」
ジュンさんが笑っていて恥ずかしい事をしてしまった。
「おはようございます。聖人様」
「おはようございます、フランワさん」
「おはよう〜ロゼリアさん」
フランワさんが部屋に入って来てここで二人きりが終了したから名前呼びから聖人様呼びに変更になる。
「お手伝いしますわ!聖人様」
フランワさんは聖人様に一直線に向かって私が手放した着替えを手伝うフランワさんを見てあの時の会話を聞きそびれてモヤモヤが広がる。
「聖人様、おはようございます」
「大司教様、おはようございます」
ノック音がして大司教様達が聖人様の部屋に入って来てと同時に聖人様の着替えが終わった。
「今日も一日よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
大司教様も聖人様も椅子に座り使用人が用意したお茶を飲む。
「朝食の時間になったら参りましょうか」
「そうですね」
そんな事を言っていたら朝食の時間になったので皆で食堂に向かって行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます