第10話・フランワは元婚約者〜ジュン目線〜
パレード最中にロゼリアが沿道を見て嬉しそうな顔に苛立ちを覚え見ていた方向を見ても分からなく男か女かと聞いたら“女性”と答えたけど胸のモヤモヤは消えてくれない。
「もっと気持ちよくなりましょうか、ロゼリアさん」
「やっ…です。聖人様…許して…んっ…」
そして、治癒術を初めて使い体力を消耗していた所に背中にソっと触れる手に温もりを覚えて見る見るうちに回復していくのが分かり聞いてもとぼけるだけだった事にも苛立ちを覚えた。
「怖くないですよ…。気持ちよくなりましょう」
「やっ…やです…。聖人様…んっ…あっ…」
滴る密は俺の指を絡めて離さなくて舐めたくなり指を抜いたら舐めようと思ったけどその前にロゼリアに俺の名前を呼ぶように促す。
「今は僕とロゼリアさんの二人きりなんですよ?二人きりの時は聖人様って呼ばないで下さい」
「…えっ?…んっあ」
息があがって俺の腕の中にいるロゼリアは俺を見るから笑って答える。
「まさか、僕の名前を忘れてしまったんですか?」
「えっ…?あっ」
指をもっと深く入れ込むとギチギチしてキツくて狭くて…ロゼリアの声が出て俺の腕を握りしめる。
「やっ…怖いから…」
「ロゼリアさんは、誰ともこういう行為はした事ないんですか?」
「……んっ」
小刻みに震えるロゼリアはコクンッと頷いて俺は妙に嬉しくなった。
「では、僕の指だけを覚えて下さいね、ロゼリアさん」
「あっ…」
溢れ出る所から指を抜くとロゼリアが俺に寄りかかってきたから抱きしめると小さくてか弱い女性なんだと実感する。
「甘い蜜ですね。蝶が寄ってきそうな密」
「!!汚いですから舐めないで下さいっ!聖人様!」
指に絡めて離さない密を舐めてるとロゼリアがそれに気が付いて俺の方を向き口から離そうとするけど男の俺の腕力と女であるロゼリアの腕力なんて差がありすぎる。
「僕の名前を呼ぶように約束したはずでは?呼んだら舐めるのをやめますよ」
「……っ」
意地悪したくなり顔が赤くなっていくロゼリア。
「密がなくなってしまったから新しい密をいただきましょうか」
「えっ?あっ…」
俺は、ロゼリアを抱きしめてもう片方の指をもう一回入れ込もうとしたらロゼリアが恥ずかしそうに俺の名前を小さく呼ぶ。
「…ジュンさん…」
ロゼリアにまた意地悪したくなって、聞こえないフリをする。
「僕の名前が聞こえなかったですけど?ロゼリアさん」
「…ジュンさん…!」
「僕と二人きりの時はそう呼んで下さいね」
「……っ」
彼女の顔が真っ赤になり耳まで真っ赤になっていて俺の尻尾は、彼女の足に絡みつく。
ロゼリアと俺との秘密が出来て状況を把握するにはロゼリアを使うしかない。
「ロゼリアさんに聞きたい事は聞けましたのでもう浴室から出てもいいですよ」
「!!」
ロゼリアを離すと彼女は真っ赤になりながらも急いで浴室から出て行き、俺は反り立ったモノを鎮めるためにどーすかなって考えていたら扉が開いた。
「…早い戻りですね、ロゼリアー…」
「名前が違うわよ?ジュン」
聞き慣れた声が聞こえてそこに立っていたのは裸のフランワ。
「…なんの用でしょうか?僕は呼んだ覚えはありませんけど?」
フランワと話す理由は無いし、二人きりになるのは勘弁してくれって思ったからそう言って浴室から出ようとしたらフランワが前を塞ぐ。
「あのお子ちゃま令嬢には優しくして私には優しくしないの?」
フランワが俺の反り立ったモノをツツーと指でなぞりビクッと反応するけどコイツとヤル気は無い。
「僕のコレは、お子ちゃま令嬢に反応しただけなので貴女を抱く必要は無いですよ」
「ジュン!私が悪かったの!」
フランワは、裸で俺に抱きつき胸を押し当てるけどそこに何の感情も湧かずただうっとおしいだけ。
「貴方の婚約者に戻りたいの…」
「僕が貴女と婚約に戻るなんて一生ないので離してくれますか?」
軽蔑した目でフランワを見ると彼女は俺から離れて一人残して俺は浴室から出る。
「大司教め…!何処まで把握してんだ?」
フランワが水晶に選ばれた可能性は聖人をして数日だけど低い気がして大方…寄付額で大金を積んでお世話係になったと俺は思ってる。
だって所詮は金だが、ロゼリアは水晶に選ばれた純粋のお世話係だから逃さねぇ。
「早く俺の所に堕ちればいいのに」
着替えながらそう思っていたけどロゼリアは俺が状況を把握する為だけの女のはずなのに頭と心が反してる。
「湯浴みはいかがでしたかな?」
大司教が出てきた俺に声をかけて椅子に座って俺を待っていて、対面の椅子の後ろに立っていたロゼリアは、もう着替え終えたらしく視線を合わせると赤くなって俺は、ロゼリアがいる椅子の方に座る。
「いい湯でしたよ」
「それは良かったです」
「…大司教様の心遣いは大変ありがたいですけど僕が呼んだ令嬢しか要りませんからそこの所はよろしくお願いしますね」
「はい、聖人様」
本当に分かってんのか、この狐大司教はと思いながら使用人が淹れてくれたお茶を飲む。
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