第6話・ドキドキの聖人様の着替えの手伝い
昨日は失敗しちゃった。聖人様の名前が知れて嬉しくてもう一回自分の名前を言っちゃうなんて…と王宮に着き馬車から降りていると声をかけられた。
「ロゼリア嬢、おはようございます」
「大司教様、おはようございます!」
大司教様達がお出迎えをしてくれた。
「聖人様は、まだ眠りについおります。起こすのもお世話係の仕事になります」
「はい…。大司教様、フランワさんは?」
「フランワ嬢はまだ来てませんよ」
「そうですか」
彼女なら私より先に来ていると思ったけど違ったみたいだった。
「ロゼリア嬢、制服がとてもお似合いですよ」
「ありがとう…ございます」
鏡を見たら自分ではないような気がしてまだ制服に着られてる感があるけど本当に聖人様のお世話係になったんだと実感する。
「聖人様がお待ちですのでよろしくお願いします」
「はい、大司教様」
自分の荷物を割り当てられた部屋に置き、聖人様の部屋に向かった。
コンコン…
聖人様の扉をノックするけど反応なしなので、静かに扉を開けます。
「失礼しまーす。おはよう…ございます…」
カーテンが閉まっていたので開けると陽の光が入って来て部屋の中からでもいい天気なのがよく分かる。
「聖人様、おはようございます」
ベットから離れて挨拶をするけど反応なしなのでもう少し近付いてこれまた挨拶するけど反応なし。
「聖人様…おはようーございます」
ベットの
ラッカの耳は触らしてもらったけど少しモフモフだったけど聖人様の耳はどうなんだろうー…と思った。
「ラッカもだけど聖人様の耳も綺麗ね…」
「耳元で喋られるとうるさいのですけど?」
「!!」
意外に聖人様の近くにいた事に驚いて慌てて離れて頭を下げる。
「おはようございます、聖人様」
「おはようございます。ロゼリアさん」
そう言いながら聖人様は、ベットから起き上がって伸びをする姿も神々しいから拝みたくなる。
「ロゼリアさん、僕の服を用意して下さいますか?」
「はっ、はい!」
見惚れてる場合じゃなかった!
聖人様の制服を用意して…用意して次は何するの?
「聖人様、おはようございます」
「…おはようございます。大司教様」
大司教様達が聖人様の部屋に入って来て朝の挨拶をすると彼はベットから降りて私が用意した制服に着替える。
「手伝うのもお世話係の仕事ですよ?ロゼリアさん」
「はっ、はいっ!?」
お父様以外の男性の裸なんて見た事無いから緊張して頭の中パニックになる。
「……っ」
震える手で聖人様の寝間着のボタンを外すと素肌が視界に飛び込んできて色気ムンムンの逞しい上半身にどこを見ていいか分からずに目が泳ぐ姿に聖人様が笑いを堪えてるなんて思いも知らずにドキドキバクバクしながら手伝う。
「上半身は脱がせましたので下半身は後ろ向いてるのでご自分でお願いしますっ」
目を泳がせながら顔が熱くなり聖人様の上半身の服を脱がせられてもう恥ずかしくってこれ以上は手伝えられないと後ろを向いて見ないようにすると聖人様が私の耳元で囁く。
「下も手伝ってくれるのがお世話係の仕事ですよ?」
「!!…それは他の方にお願いしますっ!」
同年代の男性ともろくに喋った事ない私にはお父様以外の男性の裸は刺激が強すぎてきっと聖人様は、同年代じゃない…きっと年上の男性で頭の中グルグルと聖人様の上半身が浮かび上がっては消えるを繰り返すと聖人様が声をかけてきた。
「ロゼリアさん、見ていただけますか?」
「はっ、はいっ」
後ろを向いていたけど聖人様の方を見て言葉を失った。
「まだ、慣れませんね。制服に着られてる感じがします」
「聖人様、似合ってます!」
「…ありがとうございます」
聖人様の制服も真っ白で袖口は黒の線が入っており帽子は被らないそうで、歴史を覆した獣耳聖人を全面に出す事にするらしい。
「お着替えできましたかな?聖人様」
大司教様達は椅子に座って優雅にお茶を飲んでいた事にビックリしたけどちゃっかりとそれに交じって座ってるフランワさんにもビックリした。
「おはようございます、聖人様、ロゼリアさん」
「…おはようございます。フランワさん」
「おはようございます。フランワさん」
フランワさん、聖人様のお世話係に任命されてるのになんで優雅に座ってお茶を飲んでるの?この人達…私のアタフタを目の前で見ていて(?)スルーしていたって事!?
「お似合いです、聖人様!お披露目パレードですよ!」
「そうですね」
とうとう始まる聖人様が誕生したお披露目パレード!
人混み苦手だけど私…人酔いしないと良いけどな…と不安に思っていたらフランワさんが声をかける。
「私が着いたらロゼリアさんが聖人様の着替えをしていたので大司教様達とお茶を飲んでいたんですぅ」
「だ、大丈夫ですよ。来てないから心配しましたけど」
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