第3話・獣耳聖人様でした!
お父様に言われた日がやってきて王宮に行く為にドキドキしながら正式な格好をしてる。
「お嬢様、髪の毛を結いますね」
「えぇ。お願いするわ」
ラッカに髪の毛を結ってもらいながらボタンを留めていき服を伸ばす。
「お嬢様、昨日はバタバタでしたね」
「そうね。急遽、聖女様のお墓参りだったから」
昨日は、急遽キロナの家に行き聖女様のお墓参りに行ってその後黒服を着たままカフェに寄り、一息つこうとしたのが長居をしてしまった。
「でも、いい気分転換になったわ」
「良かったです。お嬢様、緊張していたので」
ラッカにはお見通しで恥ずかしい…けど緊張はしてるから気を紛らわすために話をする。
「私の推測は聖人様だと思うのだけどラッカはどう思う?」
一昨日、お父様は
「そうですね。聖女様にも聖人様にも令嬢をお世話係として付けますし…前の聖女様は全員が女性でしたから」
「そうよね…。じゃあ、聖女様?」
ラッカの意見を聞いてみたけどますます分からなくなる。
「会ってからのお楽しみにしたらいかがですか?」
「そうね、そうするわ!」
可愛く髪を結い上げてもらって椅子から立ち上がり小さなバックを持って部屋から出て玄関に向かった。
「行ってらしゃい、ロゼリア」
「ロゼリア、絶対に失礼のないようにな」
「はい、お父様。お母様」
両親に挨拶して、馬車に乗り込み扉が閉まって王宮に向けて出発した。
「聖女様か聖人様か…どっちだろ〜ドキドキする」
王宮に着いて凄い数の馬車に圧倒されて名前を告げると案内され緊張のあまり足がガクガクしてきて入り口で大きく息を吸って大広間に入ったら何十人…何百人の令嬢かなぁーって軽く考えて思っていたらこの国の令嬢を集めた人数に圧倒され、中には小さい女の子の令嬢もいた。
『お集まりのご令嬢様方々ご苦労様です』
放送が入り慌ててその場で頭を下げて入場するのを待つ間もドキンドキンと心臓が高鳴ってる。
『入場いたします』
遠くから大勢の足音が聞こえてきたと思ったらピタッと足音が止まった。
『一同、
頭をゆっくりあげて一段高い所に座ってる人物を緊張しながら見てまばたきが早くなる。
「……!!」
黒髪の短髪に耳が生えていてその色が黄色で黒の筋が入っていて後ろでユラユラ揺れてる尻尾も黄色で黒の
『一同、
そう言われてその場で聖人様に礼をして珍しい虎族の聖人様が誕生した事に何百年ぶりの歴史を覆した。
『名前を呼ばれた者は聖人様のお世話係に任命する。これも水晶にて映し出された人物であり拒否権は一切受け付けない。そして、呼ばれるのは
お世話係も、水晶によって映し出される事を知りだからお父様は、令嬢しか呼ばれない事を知って知識が増えた事に嬉しくなり、自分の生きてる内に尊い歴史に会えるなんて嬉しすぎと違う事を考えていたら自分の名前が一番最初に呼ばれた気がした。
『ロゼリア=ウダン令嬢』
聞き間違いだと思って返事をしなかったらもう一度呼ばれた。
『ロゼリア=ウダン令嬢』
「はっ、はい!」
聞き間違いじゃなくて本当に自分の名前を呼ばれて慌てて返事をしたら、周りの令嬢達にクスクス笑われて恥ずかしくなって顔が熱くなる。
『ロゼリア=ウダン令嬢。聖人様の近くに行って下さい』
「はい!」
絶対に手と足が一緒に出てる…と恥ずかしすぎてその場から逃げたかったけど名前を呼ばれた以上は拒否権は一切受け付けないと言っていたから諦めて聖人様の近くに行ったら、尻尾がユラユラ揺れてるから本当に聖人様は獣耳族なんだと…実感が湧きドキドキしながら聖人様に自分の精一杯のお辞儀をした。
「近くに失礼します」
聖人様に声をかけて近くに立ったけど緊張しすぎて聖人様を直視出来ないし私以外の令嬢の方を向いたら視線がささって痛すぎるから早くもう一人くらい令嬢の名前を呼んで!!と心の中で願っていたら私以外の名前が呼ばれた。
『フランワ=イルナ令嬢』
「はい」
綺麗なドレスを着こなして静かに返事をして、私の隣に立つ。
『以上の二名が聖人様のお世話係となります。他の令嬢はご苦労様でした』
他の令嬢は、文句を言いながらゾロゾロと帰っていく姿を見て私も帰りたいと思っていたらボンキュッボンのスタイルの良いもう一人のお世話係の人が私に挨拶をする。
「私、フランワ=イルナよ。これからよろしくね」
「ロゼリア=ウダンと申します。よろしくお願いします」
フランワさんと私は喋ってるけど聖人様は、黙ったままで一言も喋らずに黙って聞いてるなんて凄いなって思って聖人様を見たら布で口を塞がれていた。
「!?」
えっ?見間違いよね…さっき挨拶した時もこの状態だったって事?と混乱した。
「……っ」
だって水晶にて選ばれた聖人様よってもう一回見たらやっぱり口は塞がれていてよく見たら足も手も縛られていて何故?と思ったけどこれ以上の追求は身を滅ぼしそうなのでやめたけど気になる…。
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